入院12日目。
今日は検査なし。


 朝の点滴、手のひらを上に向けると止まり、下にすると流れだす。静脈内にある、逆流を防ぐ壁に当たっているらしい。

 中学校で習ったことを、こんなかたちで実験に応用するときがくるとは。面白いけど気持ちが悪すぎる。

 朝食に厚焼き玉子が出た。大好物で嬉しい。サラダのゆでたまごを除けば、オムレツ以来、四日ぶりくらいの卵料理。

 朝、先生がいらした。入院は、血液培養で陰性が出れば、それから四週の点滴で終わるとのこと。途中、経食道心エコーをどこでやるか……血液培養を何回やるのか。それが目下の心配事。

 前に聞いたとおり、手術は、弁破壊の進行度合いで決まる。破壊が進めば、抗生剤治療を待たずして手術をしなければならない。これはやむなくやる手術で、菌が回ったり再発するリスクも(抗生剤後の手術よりも)あり、危険なことなのだと言われた。幸いその状況にはない。

 抗生剤治療後に手術をやるかどうか、それも弁の破壊の程度による。いずれにせよ、いま悩んでも仕方がない。

 他のベッドのおじいさんはカテーテルがあるらしく、緊張している様子。そうだよなぁ、麻酔と言ったって、ワイヤー(?)を足から通すんだ、こわいに決まっている。自分にも無縁な検査ではないので、内心で激励。


今日は、検査なく平穏。
昨日つらかっただけに、満喫している。

……おやつに、またまんじゅう食べちゃおう。