久しぶりに皆川博子女史を読みましたが、とても耽美で素敵でした。

DIR EN GREYの新しい曲も良かったです。The Devil In Me

 

 

 

 

2024年4月の読書メーター

読んだ本の数:15冊

読んだページ数:5127ページ

 

 

■甲賀忍法帖

4月2日 著者:山田 風太郎

 

 

■ブラディ・ローズ

4月4日 著者:今邑 彩

 

 

■エイジング―80歳以上の若者が暮らす島―(1)

4月6日 著者:友野 ヒロ

年齢の進行と心身の衰えの平仄を合わせることが老人ライフの基本と言えるでしょう。しかし、ここは「若返りの薬」が開発された世界であり、80歳であろうと90歳であろうと20代と変わらぬ容姿が手に入り、身体の衰えとはまるで無縁の生活を謳歌しているのです。そしてその中において、妻子殺害の冤罪で50年の刑期を終えた主人公もまた、その薬を服用して得た肉体をもって、真犯人への復讐へと身を投じてゆく。なかなか架空無稽なストーリー設定ではありましたが、サバイバルホラーあるいはディストピアSF的な趣があってたいそう面白いです。

 

 

エイジング

 

 

 

 

 

 

■#柚莉愛とかくれんぼ

4月8日 著者:真下 みこと

 

 

■雪密室

4月10日 著者:法月 綸太郎

古き良き密室ミステリーが楽しめました。異里外れのペンションに、いわくありげな客人たち。そこで起こる自殺を装った絞殺事件は、タイトルどおり面妖な雪密室。ミステリーとしての仕掛けはそこまで驚天ではなかったですが、招待客は軒並み揃って秘密があるようだし。主人公父子にも何か抱えているものがあるようで、殺人事件よりそちらのほうが気になって読み進めていました。実際このストーリー展開や真相は邪知深くて実に良い。はじめましてのシリーズでしたが、この父子探偵は好印象でしたし、ふたりの活躍をもう少し追っていきたいところです。

 

 

雪密室

 

 

 

 

 

 

■冥談

4月12日 著者:京極 夏彦

 

 

■豆腐小僧その他

4月14日 著者:京極 夏彦

 

 

■マッチング
4月16日 著者:内田 英治

マッチングアプリには危険がいっぱい。マッチングアプリで成婚した男女が次々殺害されるという猟奇事件であり、その魔手が最近アプリをはじめた晩稲の女性のもとへと及ぶ。そんな展開のダークサスペンス。どこか『スマホを落としただけなのに』ライト版的な印象があり始終面白く読めました。真相については読んでいてゾクッと来るものものありましたし、さらにエピローグを読んでいると、案外この女性も取り込まれて闇堕ちするんじゃないかと思ったものでした。寧ろそれを読んでみたい気もするというか、そっちの路線で続編があっても良さそうです。

 

 

マッチング

 

 

 

 

 

 

■因業探偵: 新藤礼都の事件簿

4月18日 著者:小林 泰三

 

 

■西巷説百物語
4月20日 著者:京極 夏彦

 

 

■愛と髑髏と

4月22日 著者:皆川 博子

虚と実、夢と現、死と生、ぞれぞれの境界が曖昧になったような八篇であり、倒錯的で眩想的で実に甘美な読み味でした。耽溺を禁じ得ないその筆致。それによって綴られ立ち現れるは美しく残酷な奇譚。読み進めるだに、虚実が反転し目眩を覚えるような感覚があり、そしてそれは危うくもたいそう心地よいのでした。特に好きだったのは『舟唄』以降の後半四篇。それぞれの主人公の女性は、身の裡で狂気を飼い馴らしたようにも、あるいは狂気に飼われたようにも見え、その静やかな狂気がおぞましくも、それでいて少し羨ましくも思えてしまったものでした。

 

 

愛と髑髏と

 

 

 

 

 

 

■巷説百物語

4月24日 著者:京極 夏彦

 

 

■人獣細工

4月26日 著者:小林 泰三

 

 

■天獄と地国

4月28日 著者:小林 泰三

序盤におけるテクニカルタームの連打と特異な世界設定の説明に、割と本気で閉口してしまい、読み進めるのを諦めようかと思った程でしたが、そこを抜けるとおよそ予想だにしないスペクタクルなSF譚が展開していくのでした。世界の底辺で生きる落伍者達が、異形の巨神に取り込まれ、そして地の先へと進撃してゆく。襲ってくる敵を駆逐しながら、僕等は目指したシャングリラ。SF長編としての読み応えは十分以上であり、ストーリー展開も安定のクオリティのため、最後までダレずに読み耽りました。そしてラスト一行は鳥肌禁じ得ないものがあります。

 

 

天獄と地国

 

 

 

 

 

 

■つきまとわれて

4月30日 著者:今邑 彩