ノベライズを読んだので久しぶりにアニメも観てみましたがやっぱり面白かったです、『PSYHO-PASS』。

 

 

 

 

2024年2月の読書メーター

読んだ本の数:13冊

読んだページ数:3778ページ

 

 

■金田一37歳の事件簿(3)

2月4日 著者:さとう ふみや

『金田一少年』というと土着的雰囲気を帯びた事件が多い印象なのですが、この話は土着のドの字もないタワーマンションにおける愛憎殺人。嫉妬に狂った三人の中年女性が奸計を巡らしハイカーストの阿婆擦れを手に掛ける。なんだか真梨幸子の小説みたいな愉快な話ではありますが、これもまぁもう少年ではない、齢37歳会社員ゆえの受難ってところでしょうか。挙動不審の女性たちに疑いの目を向ける金田一、そして彼女たちはその疑いを躱すため更に細工を弄してゆく。その攻防戦がストーリー展開としてなかなか新鮮であり、すこぶる面白く読めました。

 

金田一37歳の事件簿

 

 

 

 

 

■ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 X 怪談一夜草紙の謎

2月6日 著者:松岡 圭祐

 

 

■看守の流儀

2月8日 著者:城山 真一

刑務所というおよそ特殊な場所における五篇の連作ミステリーであり、視点が受刑者ではなく刑務官のほうであるのが、なんとも新鮮でした。受刑者は当然そこに至るまでの仕儀があるわけですが、刑務官もまた一人ひとりに物語があるのです。そしてそこで起こるいくつかの事件。失踪、事故死、死病、入試問題の流出に健康診断書の消失。どの話にもミステリー然とした意表外の真相があり、特に好きだったのは四話目『ガラ受け』であり、その顛末には不覚にも目蓋がぬくまったものでした。刑務官と受刑者とその家族。それぞれの想いが綾をなしていました。

 

看守の流儀

 

 

 

 

 

■人造救世主

2月10日 著者:小林 泰三

 

 

■アンブレイカブル

2月12日 著者:柳 広司

治安維持法の名目の果てに敗れた者たち。小説、川柳、哲学。それぞれの手段で不条理な時代を訴え不遇へと抗うも、その素行を特高警察からマークされてしまう。そんな実在の著名人たちの闘争が、本人ではなく彼らに縁のある者の視点で描かれています。本人視点でないがゆえに、それぞれの底深さが却って層倍に感じられ、そして人物像と物語としての輪郭がよりはっきりしている気がします。治安維持法を中心に据えた全四篇。歴史的事件とミステリーが相和しており、どのストーリーも長くはないですが長編に比肩するくらいの読み応えを誇っていました。

 

アンブレイカブル

 

 

 

 

 

■劇場版 PSYCHO-PASS

2月14日 著者:深見 真

再会の猟犬。行方不明になった執行官がテロ活動に関与していると疑われ、監視官が単身東南アジアへと捜査に向かう。小説で楽しむ『PSYCHO-PASS』。文章はライトな感が否めなくアニメのあの洗練された雰囲気も感じられなかったのが正直なところですが、ストーリー自体は安定して面白いしレギュラーメンバーたちもいつもの人たち感があって実家のような安心感です。まあ小説で『PSYCHO-PASS』を楽しむのも一興というところでしょうか。やっぱりクールで格好いいですよ、『PSYCHO-PASS』は。映画を観たくなるは必定。

 

劇場版PSYCHO-PASS

 

 

 

 

 

■ロマンス

2月16日 著者:柳 広司

 

 

■不連続な四つの謎

2月18日 著者:海堂 尊、中山 七里、乾 緑郎、安生 正

四者四様のミステリーが楽しめました。ピアニストの不審死、誘拐された元特撮ヒーローの娘、新宿大豪雪、寝台特急殺人事件。ストーリー自体が直接関連し合っている訳ではないのですが、幕間に次の事件のキーとなるガジェットが含まれており、それによって四篇がリレー形式で緩やかに繋がっている、という珍しい趣向です。『ダイヤモンドダスト』は現実に起こり得そうな恐ろしさであり、『カシオペア』におけるミステリーの王道的シチュエーションもこれまたいい。一番好きだったのは、過去の業が蘇ってくる、ちょっと奇妙な『黒いパンテル』でした。

 

不連続な四つの謎

 

 

 

 

 

■あなたもスマホに殺される
2月20日 著者:志駕 晃

 

 

■全裸刑事チャーリー

2月22日 著者:七尾 与史

 

 

■スラスラ読める Javaふりがなプログラミング
2月24日 著者:リブロワークス

Javaの超入門書。入出力、繰り返し、条件分岐、配列、クラスなどプログラミングの基本的なトピックを扱っています。最後にWebアプリ作成の練習があり、そこは多少ボリュームがありますが、それ以外はコードも短く処理的にも極めて易しい難易度でした。プログラミングの経験をある程度持っている人であればすんなり理解できるでしょうし、まったくのビギナーの方でもあまり詰まることはないと思います。本書の特徴である「ふりがな」が理解を助けるかというと、それ程でもない気はしますが、まあ初歩の初歩を学ぶには丁度いいかもしれません。

 

スラスラ読めるJavaふりがなプログラミング

 

 

 

 

 

■ちょっと一杯のはずだったのに

2月26日 著者:志駕 晃

容疑者が殺人の嫌疑を掛けられるも、酩酊して記憶を失くした所為で自分が犯人かどうかも分からず、散々警察に問い詰められた挙げ句に結局自分がやったかどうかも定かでない密室トリックの謎を暴いてゆく、と云うたいそう愉快な話です。そのストーリー展開が面白く、先が気になって一気に読み進めました。犯人や真相についてはそこまで仰天ではなかったのですが、密室の仕掛けはなかなか現代っぽくてこれまた面白いものがありました。『スマホを落としただけなのに』シリーズとはまた違う、ちょっとユーモラスなテイストを帯びているのも地味にツボ。

 

ちょっと一杯のはずだったのに

 

 

 

 

 

 

■脳髄工場

2月28日 著者:小林 泰三