やっぱり彼は黒衣がいい。
と云うか旅先にいつもこのコスプレ一式を持ち歩いているんだろうか、と普段は厭々担ぎ出される割には商売熱心ねぇと妙に感心しました。旅籠の階上で関口を睥睨する「陰陽師 立つ」場面は、特に格好いい一枚絵だったと思います。
コミカライズとしては五作目であり、憑き物落としパートは『姑獲鳥』が取り分け好きでしたが、こちらもそれに比肩するくらい良かったと思います。「すまなかったな」「生きる禅を」の表情がこれまたいいです。
原作読んでいてこれが見たかった、という箇所は押さえてくれていますし、逆に小説ではスルーしていたところもうまく掬ってくれていて、全五巻始終面白く読めました。
[収録内容]
第十七話 陰陽師 立つ
第十八話 真の貫首
第十九話 剥がれ落ちる結界
最終話 鉄鼠の檻
後日談では山下警部補の火傷ハゲまでわざわざ絵に起こされていて、やめてさしあげて、と思わないでもないですが細かいところも描かれていてその辺りも読むのが楽しいです。関口を抱えて脱出する裏表紙の榎木津も実にいいですね。
次にコミカライズがあるなら、順番的には『塗仏』になるのでしょうか。『今昔続百鬼 雲』なんかも楽しそうな気がしますが。沼上クンは『百器徒然袋』に少し出ていましたが多々良センセイはまだ登場したことなかったと思います。
読了:2018年11月18日