海渡が旅立って1年
つい1、2ヶ月前まで
そこに横になっていたような
3年5年の時が過ぎたような
不思議な感覚が続いてる
やっとリビングの灯りを
消せるようになったけれど
やっぱり深呼吸が必要で
大きくて温かい海渡を
ハグしたくて、切なくなって
でっかいため息ついて
母ちゃん、踏ん張ってるよ
ねえ、海渡
お空の暮らしはどうですか?
オジジとオババに甘やかされて
毎日おやつの雨なんだろなあ
ねえ、海渡
母ちゃんのお願い、覚えてる?
出来るだけ急いで帰っておいで
母ちゃんはオバチャンだから
大型犬は、もうダメなんだ…
小太郎サイズ位がいいなあ
赤ちゃんはダメだよ
母ちゃんが最期まで一緒に
暮らせないかもしれないから
おうちがない子に教えてね
「僕んち、まんざらでもないよ
良かったら一緒に行かない?」
その時は、しっかりと
母ちゃんに合図を出してね
ねえ、海渡
ずっとずっと大好きだよ
海渡がいない時間は
心にぽっかり穴が空いてて
どうしても埋まらないから
もう、そのままでいいかな?
母ちゃんは
海渡の母ちゃんになれて
本当に幸せです。
海渡は、ずっと
母ちゃんの自慢の息子だよ
でも、やっぱり寂しいから
時々は夢でハグさせてね
海渡に妹が出来たんだよ
白くて小さな天パの女の子
いつも真っ直ぐに母ちゃんを
見つめる目が、海渡に似てて
時々ドキッとしちゃうの
姿はちっとも似てないのに
大好きな海渡へ
やっぱり急いで帰っておいで
ずっと待ってるからね
でも、もしも
海渡が帰って来るより先に
母ちゃんがお空へ向かうなら
オジジとオババと一緒に
迎えに来てね…お願い


