こんにちは。
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このブログを初めてご訪問された方へ
ご訪問、ありがとうございます。
歯列矯正歴ほぼ5年半のりん2021です。
ここ最近は主に歯科関係のことを
書いています。
以下の記事は
「MEAW/GEAW矯正派の先生の中には、
患者を不幸にする治療をする危ない先生が
いるかもしれないので、お気をつけください」
という観点から書かれています。
(MEAW/GEAW矯正派って何?
と思った方はぜひ→こちらのブログ記事を
見てみてください。)
MEAW/GEAW矯正派の先生にゆるぎない信頼を
寄せている方にとっては
以下の記事は多少不愉快かもしれません。
あらかじめご了承ください。
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前回に引き続き、
MEAW/GEAW矯正派の先生方のホームページについて、
気になっていることを書いていきます。
例えば、あるHPにはこんなことが書いてあります。(注1)
● (当院では)まだ導入している矯正歯科医が少ない最新の治療法を取り入れることとなりました。それが、オーストリア咬合学を用いた矯正治療である「MEAW法」なのです。
ここで、「?」と思うことがあります。
「最新」という言葉に引っ掛かります。
MEAW矯正にしても、
そして使用するワイヤーの材質が進化している
GEAW矯正にしても、
本当に「最新」といえるのでしょうか?
個人的には、
こちらの論文(注2)が発表された1994年には既に、
MEAWワイヤーに興味をもたれている先生が
少なからずいらしたと考えるのが
妥当な気がするのですが・・・
もしそうだとしたら、
この論文が書かれてから30年経った今、
MEAW/GEAW矯正は「最新の方法だから、
まだ導入している矯正歯科医が少ない」と、
主張しているHPは、
果たして信頼できるのでしょうか?
これは余談ですが、
上記の1994年論文の筆者の方は、
MEAWワイヤーの元々の創始者(?)のキム先生から
直接ご指導を受けたそうです。
(←論文冒頭に書いてあります)
そして、MEAWワイヤーと非抜歯矯正について、
次のようなことが論文に書いてあります。
「よく、『MEAWテクニックは非抜歯治療のテクニックですか』という質問を受けますが、そうではありません。Dr. Kimの考えは個々のケースはそれぞれに特徴があり、それらを綿密に吟味して治療方針をたてる必要があり、Kimの分析法はその際の鑑別診断のキーを与えるものであり、MEAWテクニックは、矯正治療の可能性の限界を拡げるものであるということです。」(59-60)
より良い医療を患者に提供するために、
MEAWという当時は新しかった治療法の可能性を
慎重に試そうとしている姿勢がうかがわれます。
もし、日本の矯正医がこういう先生ばかりなら、
患者も矯正先探しに苦労しないでしょうに。
(←昔、英語でこんなの習いましたね。
仮定法過去(反実仮想)かな?)
さて、別のMEAW/GEAW矯正派の先生のHPには、
こんなことも書いてあります。
● マルチループワイヤー(MEAW)を使用した矯正治療は難易度が高く、高い技術と経験を要する治療のため、残念ながら対応している医院はそれほど多くありません。
↑このように書いているクリニックの先生は
日本矯正歯科学会の認定医ではないし、
そもそも日本矯正歯科学会の会員ですらありません。
それにもかかわらず、
(認定医や指導医の資格があって、
スタンダードエッジワイズなどの
「従来の」やり方をしている先生には
対応できないほど?)難易度が高く、
高い技術と経験を要するMEAW矯正ができると
自慢げです。
不思議です。
大学病院や矯正歯科クリニックに勤務したことがないのに、
一般歯科診療のかたわらに、
どこでどうやって、
難しいループを曲げる技術を学び、
十分な治療経験を積んだのでしょうか?
それとも、もしかすると、
技工士さんにワイヤー曲げを外注しているのでしょうか?
もしそうだとしたら、
ワイヤー曲げの高い技術と経験をもっているのは
技工士さんであると、
正直に言うべきではないでしょうか?
☆☆☆ 前回と今回の記事のまとめ ☆☆☆
MEAW/GEAW矯正派の先生は、
認定医の資格を取っていなくても、
この流派に属しているということで、
ある意味「引け目を感じずに」矯正医を名乗っています。
そしてHPを見ると、
「最新の」
「スタンダードエッジワイズなどの
従来のやり方の先生には難しい」技術をもつ、
少数精鋭の流派だと言わんばかりです。
本当にそうなんでしょうか?
こういったHPを見るにつけ、
MEAW(GEAW)ワイヤー自体に罪はないけれど、
それを使う先生の資質は
玉石混交なのが現状のような気がするんですけど。
新しく矯正先を探している皆さま、
セカンドオピニオン先を探している皆さまに
お願いです。
「非抜歯でできる」
「歯を上下にも動かして、
全体のかみ合わせを正しくする」
「キャディアックスで検査する」など、
魅力的な言葉がHPに並んでいたとしても、
(というか、そういう場合こそ)
本当に信頼できると思える先生なのか、
まずは十分にご検討ください。
もしよろしければ、
こちらの記事にある「危ない先生あるあるリスト」も
見てみてください。
ー続くー
(注1)
このような記載のあるクリニックへのリンクは
控えさせて頂いております。
もしよろしければ、
「MEAW矯正」「非抜歯」「キャディアックス」
といった語を使って検索して頂くと、
MEAW/GEAW矯正派の先生のHPを見つけられると
思います。
(注2)
池上 1994『成人矯正症例におけるMEAWとAxialTomeの応用』矯正臨床ジャーナル 1、55-79.