矯正装置としてのワイヤーを指すことばとして、例えば、

 

☆ MEAW (マルチループ エッジワイズ ワイヤー)

☆ GEAW(ゴムメタル エッジワイズ ワイヤー)

☆ ストレートワイヤー法で使うワイヤー

☆ スタンダードエッジワイズ法で使うワイヤー

 

があります。

 

矯正をお考えの方ならご存じかもしれませんが、

これらのワイヤーの共通点は、

断面が「四角い」ということです。

 

それぞれのワイヤーの見た目の特徴は以下の通りです。

 

☆ MEAWには、ブーツ型のループがたくさんついている

 

☆ GEAWはゴムメタル製のワイヤーなのでループは少ない

 

☆ ストレートワイヤー法で使うワイヤーは、ループや曲げのない「ストレート」なもの(ストレートワイヤー法のための特殊なブラケットとセットで使用する)

 

そして、「スタンダードエッジワイズ法で使うワイヤー」は、その先生の技術にもよりますが、通常1種類ではないと思います。

 

マルチループを自分で曲げられる(スタンダードエッジワイズ法の)先生は、必要であればMEAWも使うでしょうし、ゴムメタル製のワイヤーが患者にとってメリットがあると思えば、ゴムメタルワイヤーを使われるでしょう。

 

また、スタンダードエッジワイズ法ができる先生でも、(省力化のため?)ストレートワイヤー法のブラケットとワイヤーを使うことがあるかもしれません。(注1

 

いずれにせよ、

「MEAW」「GEAW」といった言葉が、

ワイヤーの種類を示す言葉として使われるだけなら

よいのですが、

「MEAW」と「GEAW」は、

ある特殊な「矯正法の流派」を指すこともあって、

その為に、矯正に関する意見交換が

ややこしくなってしまうことがあります。

 

その特殊な流派ですが、このブログでは、

概ね以下のポイントにあてはまる先生方を

「MEAW/GEAW矯正派の先生」と呼ばせて頂いています。

(詳しくは、→ こちらの記事

 

☆「オーストリア咬合学」(「シークエンシャル咬合理論」「スラバチェック教授の理論」とも言う)をベースに矯正を行うとしている

 

☆ 「噛む機能を損なわないため」として非抜歯矯正を推進している(実際には、「抜歯矯正」を行う技術がないが故の非抜歯矯正である疑いあり)

 

☆ 神奈川歯科大学の佐藤貞雄教授が恩師(直弟子でなくても、系統をたどれば行きつく関係にある)

 

☆ キャディアックスという顎運動機能検査器を使う

 

こういった条件(↑)を歯科医が満たすためには、

大学病院での矯正治療研修は特に必要ではありません。

 

ということは、裏を返せば、日本矯正歯科学会の「認定医」資格を取らなくても、MEAW/GEAW矯正派であれば、ある意味「引け目を感じずに」矯正医を名乗れるということにもなります。

 

 

注1

こちらの記事に関するコメントとして、

 

「ストレートワイヤーで矯正をされる先生は、(矯正の最終段階でアイデアルアーチを入れることが)できないということなんでしょうか。」

 

というご質問を頂きました。

ご専門の方をご指名されての質問でしたが、

回答が頂けないようですので、

大変僭越ながら、私のわかる範囲でお答えします。(↓)

間違っていたらごめんなさい。

 

「スタンダードエッジワイズ法ができる先生が、(省力化のため?)途中までストレートワイヤー法のブラケットとワイヤーを使った場合、最終的にはアイデアルアーチを入れてくれると思います。ただ、大学病院でストレートワイヤー法を学んだだけでも認定医にはなれるので、そういう先生の場合はアイデアルアーチなしで矯正を終了するのではないでしょうか。そして、アイデアルアーチなしで終了した場合でも、歯の形や大きさが標準的な方であれば、特に問題はないのではないでしょうか。」