矯正をお願いする先生を

私がどのようにして探したかは

こちらに書きました。

 

私がそうだったのですが、

顎の横ずれによる

見た目や心身の不調に悩んでいて

歯列矯正を検討している方には

ここに書いたことに付け加えて、

気をつけてほしいなと

思っていることがあります。

 

それは、

顎ずれには2種類あるということです。

 

(以下の記述はあくまでも

素人の個人的な理解によるものです。

でも、多分、完全な間違いではないと

思います。)

 

顎ずれの一つ目は、

下顎の骨の形・サイズに原因があるもの。

 

具体的には、

左右で骨の長さが違うため、

下顎のまん中が、

顔や上顎のまん中と合っていない。

そのため、

上あごの歯列と下あごの歯列が

うまく嚙み合わないもの。

 

 

二つ目は、

下顎の骨自体の形は左右対称なのに、

下顎の噛むときの動きが、

なんらかの原因で
左右非対称になっているもの。

 

例えば、

まっすぐに奥歯を噛もうとしても、

前歯の一部が先に当たってしまうので、

無意識のうちに下顎を

右か左のどちらか一方に

ひねるようにずらして噛むこと

(睡眠中の噛みしめを含む)が習慣となり、

その状態にあわせて、

前歯から奥歯までの歯並び全体が

歪んでしまったもの。

 

こうなると、

下顎の筋肉も歪んだ動きを記憶してしまうので、

まっすぐに噛もうと思っても、

顎をどう動かせばよいのか、

わからなくなってしまいますし、

下顎をずらして噛んだところで

かみ合わせが安定するようになっているので、

歪んだ外見が常態化してしまいます。

 

無意識のうちに

下顎をひねって噛むようになるきっかけとしては、

前歯の早期接触の他にも、

片方の奥歯の詰め物の高さに

違和感があるとか、

片方の奥歯だけ安易に抜歯されて

かみ合わせが低くなったなども

あると思います。

 

私の場合は

  安易な片側抜歯

→ ひねって噛むことの習慣化

→ 前歯から奥歯の歯並びが歪む

→ 前歯が早期接触する

→ ひねって噛むことのさらなる習慣化・固定化

→ 前歯から奥歯の歯並びが歪む

というループだった気がします。

 

さらっと書きましたが、

片側抜歯から顎のゆがみが徐々に進んで

歯列矯正を始めるまでに

30年以上が経過しています。

始めのうちは、

どうして顎がどんどん歪んでいくのかわからず、

10代、20代だった私は

鏡の前でただただ

途方に暮れていました。
 

だから、

顎のゆがみが気になって

これから歯科矯正をしようとする方に

お勧めしたいのは、

まず始めに自分の顎の横ずれが

一つ目の「下顎の骨が左右非対称」型なのか、

二つ目の「下顎の噛むときの動きが左右非対称」型なのか、

はっきりさせることです。

 

もし、自分が

二つ目の「下顎の噛む動きが左右非対称」型に

あてはまる場合は、

口を開けた状態から、

下顎をまっすぐに閉じるように動かしてきた位置で、

きちんと噛めるように

上下の歯列を整えてくれる先生を

見つける必要があります。

 

これは、なかなかの難問なのですが、

ここは妥協しないで欲しいと、

切実に思います。

 

まちがっても、

「下顎の動きが左右非対称」型の患者に

「顎の歪みがひどいから」と

外科手術併用の矯正を勧める先生に

お願いしてはいけません。

 

下顎の骨そのものの形は

左右対称なのですから、

顎の形を手術で変える意味はありません。

というか、変えてしまったら、

よりおかしくなってしまいます。

 

それから、

下顎を歪めて口を閉じた場所で

(歯並びがきれいかどうかはともかくも)

とりあえずのかみ合わせが

できてしまっていて、

筋肉もその状態を

記憶してしまっているわけですが、

この初診時の上下の歯列を、

そのままの場所で

きれいなU字型(放物線型)に

揃えることしかしない・できない先生も

困ります。

 

これでは

高い費用をかけて歯列矯正をして、

仮に上下の歯列の正中が合ったとしても、

顎の歪みは取れなかった、という結果に

なってしまいます。

 

初診相談のときに、

先生の治療ゴールに

下顎の動きと位置の改善が

含まれているのか、

よく聞いてみてほしいです。

 

さらに、

上顎と下顎の正中が合っていないからと、

斜めにゴムかけをさせる先生も

避けた方が無難だと思います。

 

斜めにゴムかけをするねらいは

「上顎または下顎の歯列(主に前歯)を

横に移動して上下の正中を合わせる」

なのかもしれませんが、

実際には「歯列」ではなく、

「歯列が載っている下顎全体」が

横ずれを起こしてしまって、

顎のゆがみがひどくなる気がします。

(上あごは頭部の骨と一体化しているので、

ゴムかけぐらいでは

「横ずれ」は起きないと思います。)

 

理想の先生は

下顎をまっすぐに動かして

口を閉じるとはどういうことなのか、

患者本人といっしょに

辛抱強くいろいろ試しながら

考えてくれる先生です。

 

でも、残念ながら

そこまでしてくれる先生が見つかる可能性は

限りなく低い気がします。

 

それに、

先生の時給を考えれば、

先生に家庭教師のようにつきっきりで

筋肉の動かし方を教わるよりも、

自分で試行錯誤しながら探っていくほうが、

おサイフにも優しいし、

時間はかかっても

確実に「自分の体の正解」に

たどり着けるのかもしれません。

 

私もいろいろやってみました。

 

歪んだ動きを記憶してしまっている

下顎の筋肉を

ストレッチしてゆるめたり、

左右対称に力をいれる練習をしたり。

(←私の試行錯誤をこちらの記事に書きました。

よかったら、見てみてください。)

 

始めのうちは、

開けた口を閉じるだけの動きでも、

下顎が左右に揺れながら

閉じてくる状態でしたが、

歯列矯正の進みもあって

(もう3年以上しています)

だいぶまっすぐに動かせるように

なってきたと思います。