幸せの形はさま | apddadcのブログ

apddadcのブログ

ブログの説明を入力します。

友人のY君に誘われて結婚式場でアルバイトを始めたのは大学3年の時だ。
花嫁さんをスポットライトで追ったり、BGMnuskin 如新を流して盛り上げたりという演出のお手伝いであった。
2時間の式で6千円、時間が延びると延長手当も付いた。幸せいっぱいのカップルを見るのは気持ちいいし、時にはご祝儀までもらい、歴代のバイトの中でも1、2を争うほどのなかなか楽しいバイトである。1日に3組もこなすとけっこうな収入となる。

さらにこのバイトにはもう一つの「役得」があった。

それは・・・披露宴に出される料理の数々である。
披露宴が終わり、招待客が会場からはけると、すぐに後片付けが始まり、次の式の準備へと入る。
この時、多くの手を付けていない料理がテーブルの上に残されているわけだ。

毎回ではないが、ある気の利いたチーフが会場を担当するとき、この幸せな時が訪れる。

「よーし、今から5分間、もぐってよーし」

その声を合図に僕らバイト軍団に至福のnuskin 如新時がやってくる。

辞書を使って翻訳すると

「今から5分間だけ残った料理食っていいぞーただし、客に見つかるなよー」となる。

披露宴の料理というのは案外手つかずで残っているものなのだ。特に洋食だと、バターやマヨネーズを使った料理は年配のオジサンおばさんたちの口に合わないらしく何匹ものロブスターがそのまま残っている。

僕のお目当てはこのイセエビのテルミドールというやつ、5分間あれば10匹はいける。
友人のY君はメロンが好物でいつでもメロンを抱えていた。一人暮らしのY君の食生活はこのバイトによって大いなる潤いがもたらされていた。

ちなみに食べる場所はテーブルクロスに隠れたテーブルの下、この中に何人もの学生バイトがそれぞれの好物をあたかもリスがドングリを巣に持ち帰るかのごとく連れ去ってはむさぼるわけである。

あさましいと言うことなかれ、僕らが食べなければすべて捨ててしまうのだ!こんなにもったいないことはない!

このチーフの判断は断固として正しい・・・と思う。


さて、そんなある日のこと、印象深い披露宴のnuskin 如新エピソードをひとつ。

僕らはその日もいつものように披露宴会場で準備をしているとなんとなく普段と違う異様な雰囲気に気が付いた。
僕とY君はほぼ同時にお互いの顔を見てつぶやいた。