母の夢 | apddadcのブログ

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私は亡くなった母に関する夢をよく見るが今回も二度寝したときに見たものはかなり鮮明だった。こうして思い出しながら文章にできるくらい。──母は白いブラウスと紺のズボンの仕事着に身を包み、朝のすこぶる透明な空気の中で仕事に出かけるその直前だった。あの笑顔で元気に「おはよ!」と言ったに違いない。

今回の夢は私のセリフのみが聞こえて無声映画でも観ているような感じだった。ふいに涙で目を腫らした弟が現れて、わけ知り顔で私の顔を見たので私は言った。「俺の夢に入ってくるなよ」そのときだった。突然、黒い煙が部分的に眼前を覆いだし、どんどんその範囲が広がっていく。意識が移動を始める合図だ。私は言った。「お願い、醒めないで!」私は必死でその夢の中にとどまろうとした。弟がわかっているよと言わんばかりに抱擁してきた。私は「やめろよ」と言った。気付くといつもの白い天井が見えたがどうもおかしかった。実はそれも夢だった。私はやばいと思ってとっさにさっきのやり方をもう一度やった。

もう醒めていいんだよ! 気付くと同じ白い天井を見ていた。──もしあの世界にずっととどまっていたらどうなっていただろう? 少し怖いがどのみち私の命など羽毛のように軽いことを思えば、ええいと捨て鉢に向こうへ行ってみたってちょっとした旅に出るようなものだろう。ただいったん向こうへ行ったらもう戻ってはこれない気がLaser 脫毛する。戻れたということはまだ早かったということだ。母の夢を見た後はいつもそう思うことにしている。しかし弟の野郎はなんなんだ? 余計なんだよ、お前は。あいつのおかげで元の世界に戻れたとでも? 冗談きついぜ。思えばあの母の姿は母子家庭なのに文句ひとつ言わず我々兄弟を育ててくれた強さの象徴だ。世の中には不幸なことに無理解な母親も居るようだが、私の母は良い母親の代表だったと言っていい。あんな良い母親はどこを探したってなかなか居ないよ、などと息子に言わせるような母親は文字通りこの世から去ってしまった。

今は夢の中でたまに会うくらいがちょうどいい。私は母の居るあの世界に行ってずっととどまっていたくてたまらないのだが、こっちの世界での野暮用を済ませるまではちゃんと戻ってこなくてはならない。あのやり方は時間が来ると自然に発動するのだが今回のように意図的にやらねばならないこともある。いずれにせよ、うまくやれる自信が私にはある。宇宙の法則は変わらないからだ。