あの日のあの青空。 | おまじないコブラはじめました。

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河内美雪さんの『借金王キャッシュ』好きが昂じてこのようなタイトルをつけましたが、中身は数学オタク中年乙女のボヤキです。悪しからず御了承くださいませm(_ _)m

科学的考証とかできてないため、ウンチクは話半分で読んでください。

最近、人様に教えてもらったアプリ「色のシミュレーター」というもので、いろんなものを見ています。

そもそも、こんなことを始めたきっかけは、今年の干支であるトラが、実は黄色ではなくオレンジ色だと知って衝撃を受けたからです(ちょっと大袈裟ですが)。

そーいや、タニス・リーさんの短編集「タマスターラー」の何話目かに出てくる虎の描写が「オレンジ色の宝石のような」だったな。

というような気持ちで画像を探しました(自力撮影は現実的ではない)。以下はWikipediaからの借用です。

オレンジ…

まあ、黄色よりはオレンジか。

それ、どっちでも良くね?と思ったそこのアナタ!これが大違いなんですって。

哺乳類の多くは、雑に言うと色を感知するセンサーが1種類または2種類しかなくて、人類とは違う見え方をしているそうで。

じゃあ、実際どんな風に見えてるのかな?というのを、冒頭のアプリ「色のシミュレーター」で擬似的に体感できます。※ただし、本来の使い方とは違うし、完全に野生動物の見え方を再現している訳ではないことをお断りしておきます。

これを使って上の虎の写真を加工してみますと

さすがに存在感がドーンとしていますが、色は完全に馴染んでいますので、もしも草木の間から頭がちょろっと出ているぐらいなら、狙われている動物たちもきっとなかなか気づけますまい。

比較画像がなくて申し訳ないのですが、これが黄色だと一段明るく見えてしまい、非常に目立つそうです。


余談ですが、日常生活では見慣れたイエネコも、野生下では目立つ色は淘汰されてしまう可能性が高く、白黒シルバー三毛茶トラとバリエーション豊かな毛色は、人と共に暮らしてこそ存在できるようです。


同じように、人類も社会を形成しているからこそ色んな人がその人らしく生きていける、と胸を張って言えれば良いのですが…まだちょっと課題は残ってますね。




さて、人類(含めサル目の一部)は、他の哺乳類とは違って3種類の色を感知できるセンサーを持っており、感知できる光の波長のピークが短い方からS型、M型、L型錐体と呼ばれております。


それぞれ青、緑、赤に最もよく反応しますがそれぞれ特定の範囲への感度をもち、その反応の総量で明るさを、それぞれの反応の強さの差で色を見分ける仕組みとなっております。


が、人類にも、一定の割合(2〜3%らしいです)でこの色感知センサー(以外錐体とします)を2種類しか持たない人も存在します(今回は触れませんが、それよりはまれではあるものの、どれか1種類のみしか錐体を持たない人、暗視に使われる桿体しか持たない人など、いろんな視覚を持った人と普段我々は暮らしています)。


L型錐体を持たない(または持っているが少ない)人を1型2色覚、M型錐体を持たない(前同)人を2型2色覚、S型錐体を持たない(前同)を3型2色覚といいます。


人類の3色覚は、他の哺乳類センパイから受け継いだ2つのセンサーのうち、長波長に対応する方がちょこっと変化してM型とL型の2種類に分化した、いわばなんちゃって3色覚であるというのもあり、L型またはM型錐体のいずれかを持たないタイプが2色覚の多数を占めるそうです。


冒頭のアプリ「色のシミュレーター」は、それぞれの色覚の人にどんなふうに見えているのかを確認できるものです。


説明ばかりではなんですので、実際の画像を貼ってみましょうか。


色々試して最も差が出た、弘法市でよく会うお姉さんの着物姿で。

おお、けっこう違いますね。

それに比べて、ワタクシの着てるものは分かりにくい。
1型2色覚と2型2色覚の違いが、正直よう分からんとですよ。

でも、よく見ると

1型2色覚では赤色部分が暗く、2型2色覚ではより明るく見えるというふうに、感度の高い波長域の違いが確認できます。

着物関係でいえば、これ面白いな〜と思ったのは
シーラ・クリフさんの本の表紙のコーデは、1型/2型2色覚の人にはワントーンコーデに見えるんですね〜(よう考えたら草と虎の色と納得)

ということは、プレゼンの強調やお知らせサインに、写真のようなオレンジ色と黄みよりの緑色を使うと、一定の人にはさっぱり伝わらないわけですよ。

でも、バッテリーの充電完了サインとか、スイッチのお知らせのちっさいランプとかで使われがちですよね、この組み合わせ…

というようなことを知って、より多くの人にとって優しい表現とは、ということを考えるきっかけとしていきたいな、などと思うわけです。



と、長々と綴ってまいりましたが、最後にちょっと押さえておきたいことがありまして。

このアプリの画像は、あくまで「3色覚で敢えて当てはめるとこんな感じですよ」というもので、2色覚の当事者の脳内で実際に見えている色彩そのものとは違うのですよ。

どんな色覚の人でもそうですが、センサーが感知した情報をどう分析、統合、再現するかは、人によってそれぞれ違うし、仮にその再現されたデータを他人が見られたとしても「見る」という動作を入れた時点で、見る人の分析のフィルタがかかってしまい、完全に同じとはいえなくなってしまうわけです。



それでも、ときどき
「今日の空はひときわ青いね」

「そうだね」

なんて他愛ない会話をしながら一緒に天を仰いだり、ずっと後に同じような青空を見て、ふとあの日一緒に空を見上げた誰かを思い出したりするのだから、なんというのか、人というのは面白い生き物だなあ、と思う今日この頃です。