この世界の寿命 | おまじないコブラはじめました。

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河内美雪さんの『借金王キャッシュ』好きが昂じてこのようなタイトルをつけましたが、中身は数学オタク中年乙女のボヤキです。悪しからず御了承くださいませm(_ _)m

科学的考証とかできてないため、ウンチクは話半分で読んでください。

長い人生、たま~にそら恐ろしいほど何もすることがない時間が与えられます。

たとえば、そう自覚症状がないがとにかく安静を求められる病気や、負担は少ないけれどあまり体を動かしてはいけない手術のあとの入院生活。

そういうときにお勧めしたいのが、ハノイの塔です。


フランスの数学者が考案した(らしい)知育玩具で

①1回につき移動できるコマは1つだけ
②コマは支柱以外のところに置いてはいけない
③小さいコマの上にそれより大きいコマを重ねてはいけない

という縛りのもと、コマで形成されたタワーをそっくりそのまま他の支柱に移す、というものです。


別段、専用の玩具がなくとも、身近なものを大きなものから小さなものへと積み上げることで、十分代用が可能です。コンパクトさで言えば、硬化なんかもオススメです。

で、実はこのハノイの塔、最も効率良くコマを移動させる手順は決まっています。

本当は、早くあるある言いたいRGぐらいこの手順を説明したいのですが、これから遊ぼうと思っている人がいるかもしれないので、具体的な説明は涙を飲んで控えます。

が、この手順に従ってコマを動かすと、全てのコマの移動回数の合計は、2をコマの個数回掛けた数字から1を引いた数になる、という法則性があります。

…おっと、文章で書くとわかりにくいな。

ええと、タワーを構成するコマの個数をn個、コマの移動回数をx回とすると

x=2^n-1    となります。

例えば、コマが1個の場合は、2の1乗ー1で1回(そのコマを移動させるだけなんで…)

コマが2個の場合は、2の2乗-1で3回(小さいのを移動→大きいのを別の支柱へ移動→小さいのを大きいのの上に移動)

コマが3個の場合は、2の3乗-1で7回(手順は複雑なので省略します)

…という風になります。

この手順数の求め方としては、まず、最も大きなコマだけが元の支柱に残り、あとのものが別の支柱でキレイにタワーになっている状態を思い浮かべます。

この状態から最終的な完成形迄には、最も大きなコマを1回移動させたのち、ここにたどり着くまでと同じだけの手数が必要です(移動元と移動先が違うだけで手間は同じ)。

このことから、全ての手順は、一番大きなコマ以外をキレイにタワーにする手数×2+大きなコマを動かす1回となります。

次に、元の支柱に最大のコマとそれよりもうひとつ小さいコマだけが残り、残りが別の支柱でキレイにタワーになっている状態まで手順を巻き戻し…

という風に数式を組み立て、マトリョーシカ的に入れ子にして展開→再びまとめていくと、2^n-1に収束していきます。

この過程は本当に気持ちがいいです。きっと、退屈な入院生活もあっという間に過ぎると思いますので、よろしければ証明にも取り組んでみてください。



…ここまでで、もう、かなりウンザリされたかとお察ししますが、もう少しだけお付き合い下さい。

この、ハノイの塔が発売されたときの説明書には、この塔の由来が記してあったそうです。

この世界か始まったとき、インドにある世界の中心の寺院にブラフマー(仏教でいう梵天、神様と思っていただければいいと思います)が現れて、全64段のコマを積んだタワーを設置し

「これこれこういうルールでコマを移動させるという修行をしなさいよ」とバラモン僧たちに言い含めて去っていき、僧たちは今でもその教えを守って修行しているというものです。

この世界の始まりに積み上げられた塔が完全に移動されたとき、この世界は終焉を迎えるそうです。



一体、この世界の寿命はいかほどか、ついでに、所要時間を計算してみましょう。

コマが64個ですので、全てを移動し塔を再現するまでの手数をxとすると

x=2^64-1=1.8446744e+19-1…はて、なんのことやら?

ざっくりいうと、仮に1秒に1個移動した場合

1844京6744兆…-1秒かかりますよ、ということです。

桁が大きすぎてよくわからないので、もう少し尺を大きくします。

この数÷60÷60÷24÷365.24で年単位に換算すると、584億5580万5418年5845億5805万418年(桁とかいろいろ間違ってましたので訂正します 2017/2/13)ぐらいになります。

不眠不休で作業しても太陽系の寿命より長いなんて、インドの人は豪快な設定をしたものです。



一方で、この2の64乗という数字は、今の私たちの身近にちょこんと鎮座しております。

64ビットPC 、アナタの家の机の上にありませんか?

これは、2の64乗個の情報処理が一度にできるものらしいです(パソコンはサッパリなんで曖昧表現ご勘弁下さい)。



悠久の時を感じさせる数字が、一方では一瞬に演算できるデータ量の単位だなんて、なんだか頭がクラクラします。

いま、家庭用ゲーム機では、もっと処理能力の大きい128ビットが使われてますが、あんまり急いで物事を処理すると、この世界の終わりが早く見えちゃうんじゃないかと、オイラは少々心配です。





はー、しんどかった。

ここまでキッチリ読んで下さった方に、心からのお礼を申し上げますm(__)m