再来夢…対面 | 腹回り鏡餅に浮輪ネガポジ部屋

腹回り鏡餅に浮輪ネガポジ部屋

光と闇は表裏一体。
2017年末に 脳梗塞で倒れ 糖尿病も併発、軽い右側麻痺、言葉がたどたどしい。
LDH系、特に三代目JSB、特に登坂広臣(臣ちゃ)好き♡♡♡
斎藤工(工ちゃん)好き♡♡♡
《いいね》は生存確認、内容に関わらずしてます。
(記事に無関係、無神経な※ 無言削除)


ドタと一緒に過ごすようになって数日。

私は悩んでいた。
ダーリンとドタをいつ会わせるか、をだ。

母は会わせることに反対していた。

まだ早い、

もっと落ち着いてからの方が良い、

なんだかんだと理由をつける。

しかし私としては。
いずれは私達と一緒に住むことになるだろうと思っていた。
遅かれ、早かれ、会わなくてはいけない。

娘も会ってみたい、と言っている。

今すぐ一緒に住む訳ではないのだから、とりあえず会うだけ会ってみたら良いじゃないか、と思っていた。

だが何度言っても、会わせるべきではない、の一点張りの母。

何故なら…

母はドタを跡継ぎにすることを密かに狙っていた。
このままずっとドタを手元に置き、いずれは自分達の養女にしてしまおう、ともくろんでいた訳だ。

終いには

「ほら…ねぇ…。いくらダーリンさんが良い人でも…ダーリンさんは良い人だよ?でもね…ほら、やっぱり男と女だから…ねぇ…。ダーリンさんが良い人だってのは解るけど…ねぇ…。」

と言い出す。
(これは後々も、事ある毎にずっと言われ続けることになるのだが)

なんとも煮えきらない、かつ嫌味な言い方。
実にあの人らしい。

というか。
自分の娘が、実の父親に性的いたずらをされ、必死に助けを求めていたのに全く気付かず、それどころか【それ】がやりやすい状況を作り出していた人に、そんなことは言われたくない。

【そんなこと】があったからこそ、
そう言うんだろうが
【そんなこと】があったからこそ、
そんなふうに言われたかあない。
あの人だけには。

だいたい。
私は経験者なのだ。
私のような思いを、娘にまでさせたくない。
させられない、絶対に。

私なんかより、もっとひどい目に酷い目に遭っている人はいる。
それでも。
【そんなこと】を経験したものでなければ解らない感情がある。

何十年前のことをいつまでも…
そんな考え方しかしないあの人には、到底解らないだろうが。

((こりゃ母のオッケーを待ってたらいつになるか解んないな…))

そう思った私は、ある日それを決行する。

私が実家に泊まり始めて2日ほど経ったとき、ダーリンも一緒に泊まることになった。

早朝に家を出て、翌日の深夜遅くに帰宅するダーリンが、たとえ少しの間でも1人で暮らすのは何かと不便だったのだ。
幸い、職場は我が家からよりも実家からの方が非常に近かった。

出勤場所が変わり、通常は高速道路を使って通っていたので、同じ市内にあった実家から通う方が格段に便利だった。
もちろん、いつものような生活とは違うので窮屈に感じただろうが、ここはダーリンにも我慢してもらうしかなかった。

ダーリンが帰宅する頃には私の両親は寝ていたので、そこを狙った。

いつもはダーリンと顔を合わせぬよう、早々に自分の部屋に行っていたドタ。
その日は母に悟られぬよう、こっそり下の部屋で私と一緒にダーリンの帰宅を待っていた。

「ど…どぉしよ。すっごいドキドキしてきたっ。」

帰宅時間が近づくにつれ、そわそわしだし顔が高揚してくる。

その日が終わり新しく次の日が始まって間もなく。

ガチャッ

ガチャガチャッ

ダーリンが帰ってきた。

緊張で顔が強張るドタ。
側にいるコチラまで緊張してしまう。

《お帰りぃー。》

『おうっ。』

《これ、ドタっ(笑)。》

『これってっ。』

パコーンと頭を叩かれる。

そのやりとりを、やや呆然と見ている少女(笑)。

どういう反応をしたら良いのか解らず、引きつった笑いを浮かべている。

ドタは【アホみたいに仲の良い夫婦】を見たことがなかった。

【叩く】=【喧嘩】だった彼女の目に、笑いながら叩き返している私の様子が不思議だったようで。

《おぅっ、お嬢さんっ。ご挨拶はっ?》

「あっ…。はっ、初めましてっ。」

《おぃおぃ。こんばんは、は?》

「あっ…。こ、こんばんはっ;」

『こんばんはっ。なぁーに緊張した顔してんだよっ。』

そう言われても緊張で引きつった笑顔。

少し世間話的なことをしつつ、ダーリンと私のやりとりを見ている。

なんとなく雰囲気もつかめて安心したのか、そうしているうちに顔の強張りが薄れてゆく。

暫くすると【明日も早いから】と2階の自分の部屋に上がっていった。

《ど?》

『うん、良い子じゃないか。』

初対面を終えたダーリンはニコニコしていた。

彼なら多分、普通のことのように受け入れてくれるだろう、と予想していたものの、無事に終わってホッとしていた。

《あれと一緒に暮らすって言ったら…ど?》

『おぉ、別にいんじゃね?』

やはり当たり前のように言ってのける。

数年前

《もしドタと暮らすことになったら、どぉするの?》

『そんなもん、そん時になってみなきゃ解んないだろっ!!』

と言っていたのが嘘のようだ。

いや、もちろんダーリンが何の問題もなく受け入れてくれるのは解っていた。

しかし

((ドタが私の所に来るなんてある筈もない))

と思いつつ

((でも万が一、一緒に暮らすことにでもなったら…。今からちゃんとその覚悟をしておいてもらわなきゃっ!!))

と思った当時の私は、毎日のように、それも日に何度もしつこくダーリンに言っていた時期があった。