希疑婚…否動 | 腹回り鏡餅に浮輪ネガポジ部屋

腹回り鏡餅に浮輪ネガポジ部屋

光と闇は表裏一体。
2017年末に 脳梗塞で倒れ 糖尿病も併発、軽い右側麻痺、言葉がたどたどしい。
LDH系、特に三代目JSB、特に登坂広臣(臣ちゃ)好き♡♡♡
斎藤工(工ちゃん)好き♡♡♡
《いいね》は生存確認、内容に関わらずしてます。
(記事に無関係、無神経な※ 無言削除)

私は揺れていた。

それでも、踏ん切りも踏ん張りもきかず、リブ男と逢う時間も増えてゆく。

そして、彼の目を盗んで、コッソリ夜中に電話するようになった。
彼は食後、ずっと書斎にこもってしまうので、全く気付かれることもなく。
少し前までは、パソコンをネットに繋いでる時、電話は使えなかった(電話をかけても、かかってきても、ネット回線が切断された)が、それもなくなり、コッソリと、しかし堂々と電話出来た。

リブ男は、会っている時はもちろん、電話でも、何度も

『あんな旦那とは、離婚すればいい。俺のトコロへ来い。』

と言った。

私の気持ちも傾いていた。

ただ、すぐにはそう出来ない訳があった。

リブ男には、他にも彼女がいたのだ。
私と同じパート先の人だ。
その彼女は結婚していた。

つまり、私と立場は同じだった。

それをリブ男に言うと、彼女が一方的に、だとかなんとか言って誤魔化した。
でも、どんなに誤魔化しても、2人が付き合っているのは解っていた。

そんな状況で、無邪気に彼の胸に飛び込むなんて、流石に出来なかった。

そんな中、リブ男がとんでもないことを言い出した。

彼と…主人と話しをしたいと言うのだ。
普通なら、何がなんでも阻止するところだが、実行してみたくなった。
なんか、面白そうだったのだ。

ある夜。

子どもが寝た後、彼が居そうな時間を見計らい、リブ男が電話をかけてきた。
それも、無言電話のふりをして。
2度それを繰り返し、3度目で彼が電話に出て怒鳴りつけた。
心底、いたずら電話だと思って。

もちろん、私がそう仕向けたのだ。
最近、無言電話が増えた…と、事前に吹き込んで。

彼はその話しを真に受け、相手を威嚇する為に、最初から怒鳴りつけた。
ところが、電話の相手は私のパート先の上司だった…なんてアホな設定に、彼は見事に引っ掛かった。

『確かに、こんな時間に電話をかけた私も非常識だったかもしれませんよっ。
でも、どうしても仕事のことで連絡しなきゃいけないことがあったんだっ!!
それを、相手を確かめもせず、いきなり怒鳴りつけるとは何事だっ!!』

逆にリブ男に怒鳴りつけられ、彼はみるみる青ざめてゆく。
声は今にも泣き出しそうで、体はガタガタと震えていた。

私は堪えるのが大変だった。
笑うのを。
リブ男も、夜中の12時過ぎに電話しておいて、よくそんなことが言えたもんである。

それにしても。

彼が受話器を持ってガタガタ震えているさまは、笑えるくらい無様だった。

((ざまぁみろ…))

いい気味だった。

だが。

リブ男の企みは、それだけじゃなかった。

彼を呼び出したのだ。
外でじっくり話しがしたいと。
彼は、顔面蒼白、身体は震えが止まらぬまま、出掛けていった。

約1時間後。

無事に(笑)帰宅した彼は、やけに優しかった。
薄気味悪いほど。

どうやらリブ男が【3Pしよう】とか【いらないなら、奥さん貰ってやる】とか言ったらしい。
冷静に考えれば、そんな非常識なことを言う上司は居ないだろに(苦笑;)。

彼は舞い上がっていた。
私とリブ男が繋がっているなんて、夢にも思っていないようだった。

今まで自分の所有物だっと思っていた私を、他に狙ってる奴が居る、とでも思ったのか、急に優しくしてきた。

『チビちゃんは、誰にも渡さない。どこにも行かないよね?心配しなくていいよね?』

捨てられた子犬のような目で私に訴える。

だが私の心は、完全に彼から離れていた。

もう遅かった。

遅すぎた。

それから間もなく。

リブ男と逢った時、また

『あんな旦那とは別れろ。俺のトコロへ来たら良い。』

と言われた。

『いいの?本当に私が行ってもいいの?』

私は、自分の居場所を探していた。

リブ男の所が自分の居場所かどうかは解らない。

でも、主人の所には、自分の居場所はなかった。

普通なら実家に帰るとこだろうが、そこにも私の居場所はなかった。

『俺んとこ来ればいい。 今すぐ、旦那に電話しろ。』

その言葉に押し出されるよに、私は電話をしていた。

『もう帰らない。』

と。

受話器の向こうで、娘の声が聞こえた。

『ママっ!!帰って来るんだよね?』

その声を、引きちぎるよに、電話を切った。

もう後戻りは出来ない。

私の気持ちは固まっていた。

彼は、絶対に別れないと言った。

しかし私には、彼が私への愛で言っているんじゃなく、ただオモチャを取り上げられるのが嫌で、抵抗しているだけのようにしか感じられなかった。
もう遊んでもいない癖に、いざ誰かにあげるとなると、嫌がる子どものよに。

私が家出したことを知った母は、猛烈に激怒した。
まぁ、親としては当たり前、親じゃなくとも、私を非難しただろう。

何の前触れもなく、いきなり【帰らない】と、それも電話で告げただけで終わらせようとしていたのだから。