希疑婚…慢々 | 腹回り鏡餅に浮輪ネガポジ部屋

腹回り鏡餅に浮輪ネガポジ部屋

光と闇は表裏一体。
2017年末に 脳梗塞で倒れ 糖尿病も併発、軽い右側麻痺、言葉がたどたどしい。
LDH系、特に三代目JSB、特に登坂広臣(臣ちゃ)好き♡♡♡
斎藤工(工ちゃん)好き♡♡♡
《いいね》は生存確認、内容に関わらずしてます。
(記事に無関係、無神経な※ 無言削除)

付き合ってみると、彼は【普通の人】に思えた。
あれほど嫌だったチョイキモな部分も、いつしか気にならなくなり、それどころか可愛くさえ思える時もあった。

やがて体の関係を持つようになった。
しかし、特に変わった性癖もなく、私は安心しきっていた。
あのSM本は、本当にただの興味本位だったんだと。

ただ。
少し変わっていると感じたのは、私に【奉仕】させることだった。
(ご自分のみ他力本願の悦楽)
自分でするんじゃなく、彼女にさせる、て…。
だがこれも、頻繁にではなかったので、さほど気にならなかった。

後々、冷静に考えれば、それなりに頻繁だったのだが。

これもまた、後に嫌な思いをする要因となろうとは、もちろん考えもしなかった。

それから…こんなこともあった。

何が原因だったか、喧嘩になった。
すると、いきなり私の頬を叩いた。
くどいようだが、私は口が達者だ。
しかも、必要な時は結構相手の痛い部分を突く。
そんな私に言い負けそうになり、悔しかったのか。

私は彼のアパートを飛び出した。
飛び出したものの、自宅に帰ることは出来なかった。

母に【それ見たことか】と言われるのが嫌だったからだ。

その頃の私は、自分の家が嫌で嫌でたまらなかった。
口うるさく過干渉な母。
私に【あんなこと】をしたうえに、自分勝手な父。
少しでもそこから離れていたかった。

そうだ。

あれほど気味悪がっていた彼と、結婚にまで至った一番の理由はここにあった。
1分でも1秒でも早く、あの家を出たかった。
放置しっぱなしのあの彼は、私をソコから連れ出してくれそうもなかった。

そんな思いの所へ、彼が現れた。

彼なら連れ出してくれる…いや、連れ出してくれるなら誰でも良い、というのが本音か。
勿論、彼への【愛情】が、全くの嘘偽りであるとは思わない。

でもどこかで
((私は家を出たいからじゃなく、この人を愛してるから結婚したいんだ))
と自分に言い聞かせてた部分もあったやもしれぬ。
ほんの少しの【好意】を1000%の【愛情】だ、と、すり替えて。

自分の車で彼のアパートを飛び出した私は、 暫く近くの駐車場などで時間を潰した。
2時間ほどで戻ると、必死で謝る彼。
【もう二度と、こんなことしないから】と真剣に謝る彼を見て、その言葉を信じてしまった。

この時の出来事は、結局母にはバレてしまった。
慌てた彼が、電話をしてしまったからだ。
(チッ)

当然、色々言われたが、私は自分の考えを押し通した。
この時、物事をちゃんと冷静に見る目があったら…。
後々、あんなにも嫌な思いをする事もなかっただろうに。

でも私の心の目は曇っていた。
とにかく、一刻も早くこの家を出たい。
その気持ちが、彼の本性を見抜くチャンスを見逃すことになったのかもしれない。

それに私は傲慢(ゴウマン)だった。
人間観察が好きだったこともあり、自分には人を見抜く力があると思っていた。
確かに、それまでは全て的中していた。

しかし、表面的な付き合いをするだけなのと、結婚して一緒に暮らすことと…この違いにどんな意味があるのかを解っていなかったのだ。

オマケに彼のどんな悪い部分も【私なら直すことが出来る】と思い込んでいた。
【私の言うことならキット聞いてくれる】と。
本当に傲慢だった。

実際、あの出来事以降、彼は本当に反省した様子で、それから私に手を上げることはなかった。
彼は優しく、思い遣りをもって私に接してくれた。
一緒に過ごす時間はとても楽しく、ドンドン彼を好きになっていた。
それが彼の全てだと思い込んで。

やがて結婚を決意した。
((これで幸せになれる…))
私の胸は希望に溢れていた。
初めてのデートから、2ヶ月ほどしか経っていなかった。

双方の両親に話しをした、約1ヶ月後には挙式を上げることに決まっていた。

今思えば、不思議なくらい皆急いでいた。
少しでも早く家を出たかった私には、とても好都合だったが。

私の母も、渋々ではあるが賛成してくれた。
彼のアパートに出入りをするようになってから、私の帰宅は日を追う毎に遅くなっていた。
外泊をする事は一度もなかったが、帰るのはいつも深夜だった。

夜中までフラフラと遊び歩く娘…

母にしてみれば、ただひたすら世間体が悪かったのだ。
そんなことをしているくらいなら、一日も早く結婚させた方が良いと判断したようだ。

義母は義母で、早く長男である彼を片付けたかった。

彼には弟がいるのだが、弟には何年も付き合っている彼女が居た。
しかし、長男が結婚しないうちは、次男の結婚も有り得ないと思っていた。

そんな皆の思惑が一致した結果だった。