両親…繰返 | 腹回り鏡餅に浮輪ネガポジ部屋

腹回り鏡餅に浮輪ネガポジ部屋

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2017年末に 脳梗塞で倒れ 糖尿病も併発、軽い右側麻痺、言葉がたどたどしい。
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《いいね》は生存確認、内容に関わらずしてます。
(記事に無関係、無神経な※ 無言削除)

父は消費者金融に手を出したのだ。
よくあるパターンだ。
それも、1度や2度、1社や2社なんかじゃない。

母曰く、
【一軒家が、あと2軒建てられた】
って程、借金したらしい。
口で言うのは簡単だが、普通の額ではない。

そのケツを拭いてやったのは
もちろん、全て母だった。

今思えば、それも父を増長させた原因となったと思うが、母は必死だった。
なにせ、相手は消費者金融。
利が利を呼んで、借金は雪ダルマ式に増えていく。

それに。
私は知らなかったのだが、何度か返済の督促の電話がかかってきていた。
その喋り方などが、母にとっては、心臓が止まりそうなくらい、恐ろしかった。

【早く返さなきゃ】
と、考えるのも無理はないだろう。

父はお金を借り、ギャンブルで使い果たし、返済に困るとそれを放置。
にっちもさっちもいかなくなってから泣きついたり、黙って帰ってこなくなるのを繰り返した。

母はその都度お金を工面した。
時には兄弟達に頭を下げ、借金を申し込んだ。
兄弟達も、返済方法など、無茶な条件に黙って答えてくれた。

兄弟といっても、母方のみだ。
父方は、親は勿論、兄弟も、びた一文貸してはくれなかった。

それはそれで、正しい判断だった。
なんせ、問題行動は、これだけで終わらなかったのだから…。

この借金だけでも大変だったのに、【犯罪】も犯していた。

会社の組合の会計を預かる立場にいたこともあったのだが、その組合のお金を使い込んだのだ。

直ぐに全額返済したのと、母を気の毒に思った所長さんの計らいで、警察沙汰にもならず、このことを知っているのも一部の社員のみで済んだ。
お陰で、何事もなかったかのよに、定年まで勤めることが出来たのだった。

本当なら、警察に逮捕され、前科者になっていた父。

母や母の身内だけでなく、これほど大勢の【他人】を巻き込んでの騒動を起こしておいても、反省しているように見えなかった。

その証拠に、この間、他にも色々やってくれていた。

プチ家出(一週間以内・仕事はちゃんと行ってる)を繰り返す
消費者金融への借金
給料のネコババ多数回(様々な借金の他にだ!)
私への性的悪戯etc…

懲りない、自己中の父は、やりたい放題やっていた。
少なくとも私には、そんな風にしか見えなかった。

一度など、3~4ヶ月行方不明になった。
(疎ましい存在の父に興味がなかったのと、いつもプチ家出を繰り返し、居ないのが当たり前だったので、正確に把握していない)

その時も母は、必死に探した。

会社勤めをしながら、家事もこなし、休みになると、競艇場通い。
その頃父は、主に競艇場に入り浸っていた為、そこへ探しに行っていたのだ。

いつも出入りしていた質屋、
場内のポリボックス、
父の写真と菓子折りを持って、見かけたら連絡を、と頼みに行っていた。

そんな母の思いが通じたのか、父が見付かったという知らせが届いたのは、寒い冬の頃だった。

知らせてくれたのは、警察で、母の勤めてる会社へ電話がかかってきたのだ。
ちゃんと気を利かせてくれ、最初は女性警察官から、母が出ると、男性警察官に代わったそうだ。
仕事中に、しかも男性から電話があったのでは、後でどんな噂が立つか解らない…という配慮からだった。

母は直ぐその場所へ向かった。

果たしてそこに父は居た。

何だよって顔と、ホッとした顔と、入り混じったような顔でそこに座っていた。

お世話になったお巡りさんに、何度も、何度も、何度も頭を下げた母。
電車で帰るかと聞かれ
「またこの人も、一生懸命働いてくれるだろうから…」
と、タクシーを呼んでもらい帰宅したのだった。

そこは、自宅からかなり遠い場所だったので、タクシー代は数万円になったはずだ。
普段、穴だらけの下着を大切に着てるような母にとっては、かなりの大金だったが。

やっと見付かった安堵感、
一刻も早く家に帰りたいという思い、
もしかしたら
電車で帰ると、父をサラシ者にしてるように思った、母の愛情だったのかもしれない。

この時もまた、所長さんの計らいで、今まで通り働けることになった父。
さすがにこの時は、仕事も休んでいたのだ。

母はまた、アチコチに頭を下げて、お詫びetc.の挨拶まわりをする日々が続いたのだった。

ところで…

父は何故警察に発見されたのか?
お巡りさんが、死に物狂いで捜索してくれたからか?

いや、違うのだ。

父はうろついていたのだ。

エンジのチェック柄の、ダッさくて目立つハンチング帽を被り、わざわざポリボックスの前を何往復も。
それでお巡りさんが不審に思い
「あっ!あの写真の男だ!!」
と気付いた訳だ。
なんともお粗末な話しである。

恐らく父は帰りたかったのだろう。

それは、家族の元に…という訳ではなく、ただただ帰りたかったのだ。
あまりに長期すぎて、帰るキッカケを失っていたのだと思う。