面白そうなタイトルと作者名に釣られてほぼジャケ買いしましたが、これも「双生遊戯」と同じくらい超大当たり。「魔人探偵脳噛ネウロ」「暗殺教室」の松井優征氏の新連載です。

 

 

まず読む前に日本史の復習をしましたあせる。なぜなら、この作品は鎌倉時代末期〜南北朝時代を生きた北条時行という武将のお話で、まるっと忘れていたからです驚き

 

下矢印わかりやすかったサイト

 

物語をザックリ言うと、

 

 

1333年。何かと"すばしこい"少年・北条時行は鎌倉幕府の継承者となるはずだったが……

 

 

足利高氏の突然の裏切りにより、父と兄を含めた北条一族のほとんどが討死・自害、鎌倉幕府は滅んでしまうが……

 

 

時行の前に現れた諏訪頼重という怪しげな男に匿われ、彼の元で鎌倉奪還のために仲間を集め、得意な"逃げ力"を養っていく。

 

カブト

 

難しそうで手が出にくいのが歴史マンガですが、人間関係、出来事、用語がわかりやすくて読みやすい。単に表面的で端折っている簡単さではなく、読者を考えながら作り込んでいるのが丁寧な作品全体から見て取れます。また、「悪党」等の本来の意味を改めて知ったりと、巻末の解説を含めて勉強にもなりました。

 

 

話と同様、敵味方かかわらず、登場人物全員が魅了的。格好いい、可愛い、強いだけの意味ではありません。一人一人の性格が個性的で楽しい。頼重を筆頭に時行の周りはみんなオカシイ人間ばかりだと思うけど、時行こそが実はいちばんヤバい子だったりするという。ボケ・ツッコミの笑えるところはほんとに面白く、シリアスなところはグッと心を掴まれるバランスの良さはさすが。

 

カブト

 

史実では時行の最期は捕まって斬首、頼重も自害という悲しい結末。頼重は誰かわからなくするために顔の皮を剥いだとか。漫画はファンタジーが入ってポジティブな雰囲気なので、そうならないで欲しいなあと思いますが、暗殺教室の最後を描いた松井先生なら上手く描けそう。

 

最後に、

 

楽しく読めて学べる歴史マンガです。絵と話、両方のクオリティは高く、週連載でこの出来の良さには感嘆しかない拍手。だから1冊484円では安すぎると思いました。連載終了まで作者が納得いくように描かせてあげたい。そしてそれをぜひ読んでみたいです。

 

それでは