
天海祐希演じる叩き上げの取調官・真壁有希子が可視化設備の整った特別取調室で取り調べを行う
専門チーム「緊急事案対応取調班(通称・キントリ)」
のメンバーとともに、数々の凶悪犯と一進一退の心理戦を繰り広げる『緊急取調室』。
第1シーズン(2014年1~3月)の放送から3年――
あの人気ドラマが、取り調べの録音録画(可視化)を義務付ける「刑事司法改革関連法案」の可決(2016年5月)を経た今春、連続ドラマ第2弾として復活!
今回も田中哲司、速水もこみち、鈴木浩介、でんでん、大杉漣、小日向文世ら第1シーズンからおなじみの豪華メンバーが再集結!
さらに、前回のスペシャルで初めて登場した現・警視庁刑事部部長を演じる大倉孝二も続投!
主演・天海を中心に固い団結力をいかんなく発揮しながら、
“密室の銃撃戦”ともいうべき緊迫の取り調べ劇を展開します。
http://www.tv-asahi.co.jp/kintori/
私は第二話と三話を見ました。
一言で表現すると「ないな~。」
つまり実際には「ないなー」と思われる場面が続出していました(笑)
その1 そもそも「緊急事案対応取調班」という部署はない
これ、番組を全面否定するようですが勘弁してください(笑)
そもそも取調べというのは事件を担当する部署の取調官が担当します。刑事の部署は罪名で分かれており、殺人、強盗、強姦なとの強行犯は捜査一課、詐欺、横領、選挙違反などの知能犯が捜査二課、窃盗などの盗犯が捜査三課です。また暴力団を担当する捜査四課だけは罪名問わず相手が暴力団員であれば事件を担当するという構成になっています。その他、薬物と銃器を取り締まる薬物銃器対策課とか、生活安全部門にはまた違った部署がありますがこれも刑事です。
当然のことですが事件捜査はその担当部署が一から捜査して検挙するのでその事件に一番詳しい部署の刑事が取調べをすることになります。つまり殺人事件なら当然ながら捜査一課です。ですからこのドラマのように取調べだけを担当する部署というものは存在しないのです。
その2 あんな取調室はない。
これも番組を全面否定してしまいますがあんなわけのわからない取調室は日本全国のどこの警察を探してもありません(笑)だいたいあんな電子ロックのかかる扉なんて警察では予算がなくて無理です。そして無駄に広すぎる。あんな広い取調室を作るんだったら取調室を二部屋作ります。そもそも警察の敷地はそんなに広くないのでデカい取調室を持つ意味がわかりません。
後方のマジックミラーから他の担当者が状況を見ていますがあんな設備もありません。但し、扉にマジックミラーはあります。これは適正な取調べをしているのかを管理部門がチェックしたり、参考人に犯人の面割をする時に使うのが目的です。
その3 取調べ中に犯人の体に触ってはいけない
第二話だったでしょうか、取調べの刑事が「まぁがんばれ」とかなんとか言って犯人の体をやんわりと触れて励ますような場面がありました。実はこれは「監督対象行為」という規則違反」になります。
犯人が急に倒れたなどの救護の場合を除き、取調べ中の犯人の体には触ってはならないのです。
つまりこの刑事は内規違反で処分されることになります。取調べ室は個室なので中には使命感から無理な取調べをする刑事もいます。ですから取り調べ中の一定の行為については禁止することで秩序を維持しているのです。
司法制度改革により取調べの可視化が進んでいますが刑事側の立場からもどんどん可視化を進めてもらって無理な取調べができない環境にしてもらいたいところです。
以上、また書きますねー。