警察官に染まらないこと | 刑事塾 詐欺、採用面接、営業で騙されない、ウソや人間心理の見抜き方講座

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「警察官ストレス」のキーワードで検索して私のブログを見てくださる方が多くいます。

キーワード検索機能で調べると読者がどんなキーワードで見てるかわかりますからね。

はたして現職の警察官かな?警察官に興味のある方ですかね?まぁどんな方が見ているのかまではわかりませんが・・・。

警察官とストレスについて書けばたくさん書けます。

間違いなくストレスのたまる仕事だからです。

そりゃそうですよ。法の番人ですしね。言ってみれば一般の方の手本にならなければいけないわけで。

どんな点がストレスかというと公私の区別がないところでしょうか。

例えば近所の交通量閑散とした道路の横断歩道、車も来ないし、渡っちゃうことありますよね。あれ、警察官だと渡りずらいんですよ。近所の誰に見られてるかわからないでしょ。

信号無視してる、なんて言われる可能性もあります。

駐車違反もそうです。自宅の前に青空駐車なんかしてると「あそこは警察官の癖にいつも路上を車庫代わりに使ってる」なんて陰口を叩かたりすることもあるわけです。

警察官だと知ってる人は私生活でもそんな目で見てますからどうしても厳しい目で見られてしまうんですね。


でも考えてみてください。警察官も人の子であって最初から警察官として制服を着て生まれてきたわけではありません。

元々は普通の人だったわけですよね。高校を出て、普通に大学に行き、合コンやって女の子ナンパして、未成年のうちから酒も飲んで・・・なんてふつうにやってたわけです。

それが警察官という職業を選んだ途端、厳しい教育を受け、警察という仕事に染まっていくんですね。


実は私が警察官になったときに強く思ったこと。

それは「生涯、警察に染まらないこと」でした。

なぜかというと「一般市民の感覚を忘れたら一般市民の気持ちを考えた仕事ができなくなるから」という思いからでした。


警察官って偉くなっちゃうんですよねー。

そもそも仕事で謝ることがないでしょ。回りはみんな頭を下げてくる人ばっかり。

まぁ基本的に悪いことをした人を相手にしてますから当たり前といえば当たり前ですけどね。

だから自分が偉くなったという錯覚に陥ります。


特に階級が上がると本当に偉くなったような気分になります。だって市民以外にも身内からも頭下げてもらえるわけですから。まして階級社会ですから昇任試験で先輩を飛び越えて偉くなれるわけですから尚更です。


ちなみに私は35歳で警部になりました。警察署に出ると課長です。当時、私の部下の係長は55歳と46歳でしたかね。部下のほとんどが先輩でした。

そりゃ偉くなった気分になっちゃいますよね。


でも偉いのは自分ではなくてその役職、立場でしかないんですよね。

課長という立場が偉いのであってお前が偉いわけじゃない。それに気付かない人がどれだけ多いか。


最近はだいぶよくなりましたが、昔は性犯罪の被害者の事情聴取をしていて「あなたも悪いんだよ。夜中にミニスカートで歩いてんだから。襲われても仕方ないよ。」なんて発言をする刑事がいました。

耳を疑いましたよね。自分の娘が被害に遭ったらそんなこと言うの?自分の妻が被害に遭ったらそんなこと言えるの?あんた、どうしてそんなこと言えるのよ?って。

つまり市民感覚がマヒして警察官の感覚で仕事をするからそんなことを言ってしまうわけです。


自分の娘がそんな被害に遭ったら「絶対犯人を許さないからな。絶対捕まえてやるからな!」って言うでしょ。

確かに被害者に落ち度がある事件もあります。でも嘘でもいいからそう言って事件を捜査するのが刑事の仕事だと思うんですよね。


ですから私はなるべく市民感覚を忘れないように、警察官に染まらないように仕事をしてきたつもりです。

そんなこともあって起業という道を新たに選択できたのかもしれませんね。

まぁそれでも公務員感覚というのは身についてしまってる部分はありますから、これからいかにそれを拭い去るかが課題でしょうね。


警察官のストレスからだいぶ違った話になってしまったかな?

また次回、ストレスの話をしたいと思います。(^.^)