東日本大震災で現地に派遣して | 刑事塾 詐欺、採用面接、営業で騙されない、ウソや人間心理の見抜き方講座

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こないだ久々に大きな地震がありましたね。

ちょうど私は茨城の親戚宅にいたんですがその地域は震度5弱でしたので「おっとまた来たか!?」と身構えてしまいました。


あの日、そうです、震災当日の3月11日、私は広域緊急援助隊に所属していました。

広域緊急援助隊は機動隊の中にあり、全国で災害が発生した時に被災地に赴き、被災者を救助するための部隊です。

あの揺れを受けて「間違いなく出動だ!」と我々は勤務先から隊に戻り、準備を整えて派遣を指示された福島県に向かったんですね。

都合五日間現地にいましたが、その間の食事は朝昼晩、すべて「缶詰」と「マジックライス」でした。

現地のコンビニには食べるものはほとんどありませんでしたし、それよりも我々が被災者を差し置いて買うわけにもいかず、その食事で我慢していました。

でも食べるものがあるというだけで幸せでしたよね。マジックライスも意外と腹もちがよく、おいしいということがわかりました。


応援派遣中、我々は地理不案内もあって地元福島県警の警察官に捜索場所まで案内してもらう機会が多くありました。

捜索初日でしたが、捜索場所近くのモータープールに着き、とりあえず食事をしてからと準備をしていると、案内してくれた彼らはずっとパトカーの中にいるんですね。

「もしかして食べるものがないのでは?」と彼らに声をかけました。

すると彼らは「被災後、すぐに応援部隊の案内を指示されたのでみんな着の身着のままで・・・。」と食べるものもないことがわかりました。ですから我々の食事を渡して食べてもらったんですね。

聞くに「親族の安否も不明ですが仕事ですから仕方ありません。」とのこと。疲れた不安気な表情で話していたのが印象的でした。

彼らも被災者ですから、本当は自宅や親戚宅に戻って安否を確認したいというのが本音でしょう。

しかし、警察官という仕事柄、それは許されませんし、自分の仕事に従事していたんですね。

彼らの気持ちを考えるとなんと言葉をかけていいのかわかりませんでした。


実質三日間の捜索に従事中、発見したご遺体はたったの三体。

ほとんどは津波の引き潮で海に持っていかれたと思われました。

もちろん生存者を発見することもできませんでした。

今でも被災地の光景は目に焼き付いて離れません。


私はこの体験で多くのことを学びました。


生きているというのは当たり前ではないこと。

死というものはある日突然訪れることがあるということ。

普通に生活するということがいかに幸せであるかということ。


我々にもいつなにが起こるかわかりません。

今を大事に生きないと絶対後悔する。

そんな気持ちにもなって起業も決意したんですね。


さて、あなたはあの震災でなにを学びましたか?

少しずつ忘れかけているあの時の記憶をもう一度思い出して、その後の自分を振り返ってみるのもいいかもしれませんね。☆彡