ペテン師の特徴についてお話ししましょう。
私は主に知能犯罪の刑事の経験が長かったんですが、ペテン師、つまり詐欺師にはある一定の特徴があるように思います。
これはみなさんがビジネスにおいて、またプライベートにおいて騙されないための必要な知識になるかもしれませんのでその一部を紹介します。
まずその①「ペテン師は口がうまい。」
ペテン師はあの手、この手で嘘をついて人を信用させるわけですから嘘を本当のように聞かせる必要性が生じます。つまり、コミュニケーション能力が高く、口が回り、会話もうまいということになります。
おとなしくて口数が少なければ逆に疑われますしね。あと、嘘をついているので気持ちとして「早く騙しきってしまいたい」「早く信用させたい」と思っているので早口になりますし、頭の回転も速くなり、口が回るという結果になります。
その②「逆切れする」
ペテン師は相手が自分の話に不審感を持ったり、意見したりすると逆切れして怒鳴ったり「信用できないならいいですよ」とふてくされたりすることがあります。
これは嘘を見抜かれそうになった際によくある行動で、相手の判断能力を失わせるためのひとつのテクニックです。怒鳴られた方はなんとなく自分が悪いことをしたような気分になったりします。
「こんなに熱心に説明してもらってるのに失礼なことを言ってしまったかな」なんて弱気になり、平時の冷静さを失い、相手になびいてしまうことにもなります。
その③「期限を設け、その期限内に行動することをやたら強調する」
契約について「いついつが期限なんで急いだ方がいいですよ」と執拗以上に期限を強調して急がせます。これも冷静さを失わせるテクニックです。正直な人は何も急がせる必要はないのでゆったり構えていますが、ペテン師は執拗に焦らせるんですね。
おれおれ詐欺で「警察ですがご主人が痴漢で逮捕されました」なんて電話があると「えーーー」と冷静さを失い、簡単に騙されてしまいます。冷静さを失わさせることがペテン師のひとつの手口なんですね。
その④「落ち着きがない、体をやたら触る」
これから人を騙すわけですから、その緊張が体のどこかに表れます。額に汗をかく、貧乏ゆすりをする、顔をさわる、頭をなでる、必要以上に身振り手振りが多くなる、目が泳ぐ、などでしょうか。
人を冷静に見る癖がある人はその変化に気付きますけどね。信用していたらなかなか気付かないかもしれません。
その⑤「現実を忘れさせ、将来をイメージさせる」
世の中にうまい話はそうそうありません。騙される人はそれがわかってない(笑)
いまの時代、高金利の投資話なんて世の中にあるわけがないのに信用してしまう。
ペテン師は現実よりも未来をイメージさせます。
「これだけ預ければこれだけ金利が入ります。そしたらこんな暮らしができる。こんなものも買えるし、こんなとこに海外旅行にも行けるじゃないですか。」とうまい話をするわけです。
被害者の頭は将来の素晴らしいイメージで頭がいっぱいになり、現実的な判断ができなくなりますよね。
心はセレブだったりして。
ペテン師には以上のような特徴がありますが、騙されないための大きなポイントは「冷静さを失わないこと。」これに尽きます。
相手の策略にひっかからずに冷静な判断能力を失わなければ「なんかおかしいなー」と思う点が必ずあるはずです。
被害者の方は警察での事情聴取に「冷静になってよくよく考えたらなんかおかしいなーと思ったんですよねー」なんてよく話されます。つまり、冷静であれば見抜けたということです。
さぁ、何かの参考になりましたか?
不景気ですし、怪しい輩もたくさんいますので十分気を付けてください。(^.^)