まず相手に小さな要求をのませ、それから偶然を装って不利益を追加していくというような詐欺に近いテクニックがあります。
これをローボール・テクニックと言います。
例えば「300万円で車を販売します。」と持ちかけて、お客さんが承諾してくれた後で「すいません、実は価格が変更になってたのを忘れてまして・・。現在は315万円なんです。」と価格をつりあげるのがこのやり方です。
こんなケースの場合、お客さんは既に「買おう」という気になっているので「えーなんだよ。じゃあ買うの止めるよ。」とは言いにくくなる。商品を買うと承諾させてから「実はこんな付属品が必要で・・・」と追加していくやり方もローボール・テクニックです。
小さな要求を承諾させてからという点ではフット・イン・ザ・ドア・テクニックと似ていますが、「偶然を装って」大きな要求につりあげるという点で区別されているんですね。
このテクニックでは、うまく演技をしないと詐欺だと思われる可能性もあるので注意が必要です。
そもそも、このテクニックは場合によっては「騙された」という印象が残るので、まともな商売ではやらないかもしれません。
ちなみにこの手口を詐欺罪で問えるかというと無理でしょうね。
まず、犯意がとれない。故意なのか、ほんとに忘れていたのか立証できない。
おまけに結果的に金額が跳ね上がっても最後はお客さんが了承して購入するわけですしね。詐欺にはなり得ないといえるでしょう。
詐欺といえば、昔、交番のお巡りさんから電車賃名目でお金を騙し取ってた犯人を捕まえたことがありますね。被害者は「お巡りさん」です(笑)
なんでわかったかと言うと、ある署の管轄内の数か所の交番に「財布落としたんで電車賃(タクシー代)貸してください。」と金を借りに来て全く返さないやつがいると話題になったんです。貸したのがみな数千円と結構高額だったのもありました。で、情報を集約すると同じ人物ということがわかり、詐欺じゃないかという結論に至ったんですね。
いくらなんでもそんなに何回も財布落とすわけがないですしね。
その後、その男を割り出して追求したら「詐欺です。」と認めたんです。
実は交番にはそんな時のために貸出用のお金が多少は置いてあるんですが、ほとんどは警察官のポケットマネーなんです。
ですから借りにきても最低限の電車賃しか貸しません。でもこのときはタクシー代として数千円も借りていて悪質だったんですよ。
犯人曰く「交番のお巡りさんだったら簡単に金を貸してくれると思った。金に困ってやった。」と供述していました。
ちなみにもう十数年前ですが、私が係長になった当時、交番勤務をしたことがありました。で、その交番に備えつけの貸出帳の返済状況を確認したら半分以上返済がなかったですね。おまけに書かれた電話番号に電話してみると不通だったりして(汗)
「おいおい、どうなってんの、これ。」なんて思ったことがあります。
借りに来た人はきっと交番のお金だから返済しなくていいものだと思ってるのかもしれませんけどね。 実際はお巡りさんの少ない小遣いから貸してるんですよ。
えーと、ローボール・テクニックとは全く関係ない話になってしまいましたが、「交番でお金借りたら返してくださいねー」ということで終わります。(^.^)