昨年の夏、陸前高田市へ行方不明者の捜索活動に赴く機会がありました。
発災から4ヶ月を経て、また非常に暑い毎日でしたが、我々の士気は高く、ひとりでもふたりでも多くのご遺体を見つけてご遺族にお返ししようという思いで従事しました。
そんな中、13メートルを超える津波に耐えて有名になった奇跡の一本松が悠々と立っているのが見えました。
上の写真は当時撮影したものですが、元々は下の写真のように松林が延々と続く海岸線だったわけで、その中で一本だけが残ったというのはまさに奇跡でした。
その奇跡の一本松が海水で枯死し、モニュメントにするために切り倒す作業が12日に始まったそうです。前日の土砂降りの雨がうそのような晴天で、神事の後、高所作業車が一本松に近づき、枝から大切に切り落としたとか。
震災を風化させないために一本松をシンボルとして残すべきですよね。
きっと彼は、残された町の人達に何かを伝えたくて必死に津波に耐えたんでしょうから。
その意思を無駄にしてはならないと思います。
捜索活動に行ってから約一年が経ちました。陸前高田市の復興は進んだのでしょうか。
機会があればまた訪れてみたいと思います。