視聴日記:「篤姫」 第7回「父の涙」 | 手当たり次第の読書日記

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新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。

人気上々らしいですね、このドラマ。
新聞なんかを見ても、週間の視聴率ランキングが今やってるドラマの中でトップだったり、好意的な感想の投書が載ってたり、今のところ悪い評判を聞きません。
あちこちで目にする視聴者の声で多いのが「ホームドラマのようで面白い」というもの。於一の生家・今和泉島津家の、厳格だけど怖くはない父、しっかりものの母、貫禄のない兄貴ども、そしてお転婆な妹というキャラクター設定が、親しみ易いと好評のようです。
そういうファンにとって今回の話は、どんな風に受け取られたのでしょう。一見ホームドラマのようには見えても決してそうではないことを、菊本の自害が強烈に示しました。
自分のような身分の低い者が、薩摩77万石の養女となる姫様の乳母であってはならなかった。
これはまた、何という凄まじい覚悟なのか。
時代劇を観る際に現代人が間違えてはならないことのひとつに、こうした身分の問題がありますね。この当時、身分の区別は決して「差別」ではありません。
於一が鶴丸城に入る前夜、母親も言い聞かせていましたが、彼女はこれから「多くの家臣の上に君臨する立場」となります。実の親も兄弟も、もしも今後会うことがあれば、下座で彼女に向かって平伏しなければなりません。更には今後、彼女は13代将軍家定の正室として江戸城大奥に入ることになる訳ですが、14代家茂の正室・和宮との有名なエピソード、天皇家の姫であっても大奥では嫁として下座につけと、断固として言い渡す場面も当然描かれることでしょう。
それは彼女が、「自分に要求される責任を果たす」ということです。「偉そうにしている」訳では断じてない。
「初めて大河ドラマを観る子供達」に、それが自然と伝わっていくような描き方であれと願います。


以下、今回の感想いくつか。
・於一と尚五郎が互いの守り袋を交換するシーン、「新選組!」のコルクのくだりを思い出しました。江戸開城の辺りでどう描かれるか、気の早い話ですが今から楽しみです。
・それにしても尚五郎の恋は切ないですねえ。とうとう於一には全ッ然気付いて貰えませんでした……。
・「烈公」水戸斉昭初登場! しかし、うーん、またしても「実物に似てないシリーズ」ですか(苦笑)。何で髭がないんですか髭がっ! でも、阿部正弘と斉彬が、彼を立てる振りして実はうまいこと自分達の思い通りに事を運んでる様子、しっかり描いてくれてましたな。

・城に入る日の朝、於一はそれまでとははっきりと違う顔つきになっていました。もう、無邪気で明るいばかりの少女ではなくなったんですね……。