母の心の傷は深い
娘の私は
何年もかけて
少しでも癒そうと
少しでも寄り添おうと
思って結局癒せない傷だ
もしかしたら
彼女の傷は一生癒せないのかもしれない
トラウマを解消させようと
一緒になって闇に落ちるのは
すごくすごく疲れるし
話を聞くだけでも消耗して
回復するのに時間がかかる
一時癒せたかと思っても
またしばらくすると振り出しに戻ったりもする
私はいつも不必要な傷を負って
後味悪く不快感に苛まれる
だけど。
これは母の傷であって
私の傷ではないんだ
癒すのは私じゃく、彼女自身。
本人が気付き、
癒そうと努力しない限りは無理なことなのかもしれない
世の中の罪無き子供が
親のトラウマによって傷つけられる
親の傷に+αで親に付けられた傷も背負うというの?
かなしみの連鎖
私はそうはならないと決めた
彼女のトラウマが表出するとき
傷を見せられても
自分は一緒に傷つかないようにする
もう無理に癒せとは言わないよ
変わってほしいとも言わない
かなしみはかなしみのまま
くるしみはくるしみのまま
彼女の心にとどまって
また時折顔を出すのを
私は少し離れたブロックの外の
安全な場所でただ見守ることしかできない
それが今とこれから後
私にできる最大限の愛であると認め
同時に
抱きしめて癒そうとして
また傷つくことからも開放されます