加齢により肌にツヤやキメが低下し、たるみやしわができてしまう。
肌の老化現象です。
一方、紫外線対策をして、スキンケアをしている人は肌に張りがありツヤツヤしている。
スキンケアをして運動をしている人はさらに肌に張りがあります。
この差は肌の代謝速度の差によります。
代謝は若い時は盛んで、加齢により低下します。
代謝は異化反応と同化反応からなります。
摂取したグルコースや脂肪酸を分解してATPという高エネルギー物質や
還元型ピリジンヌクレオチド(NADHやNADPH)を作る反応 これを異化反応といいます。
そしてATPを使用して蛋白、脂質、DNAやコラーゲンの合成して細胞の増殖反応を起こすことを同化反応といいます。
異化反応は高分子のものを低分子にしてエネルギーを得る反応です。
同化反応はエネルギーを使用して低分子から高分子の物質を作り、細胞、組織を構築する反応です。
同化反応と異化反応はお互いに影響を及ぼします。
ミトコンドリアでのATP産生、異化反応が盛んな人は同時に同化反応も盛んになります。
ビタミンABCはミトコンドリアでのATP産生やNADHの合成を円滑にしますが
同時にコラーゲンの合成や細胞の増殖も盛んにして、生き生きとした若い肌を実現します。
上の図に示すように摂取した炭水化物より生じたピルビン酸や脂肪酸はミトコンドリアで酸化的リン酸化反応をうけ
大量のATPとNADHを生じます。
この際にミトコンドリアの電子伝達系で取り込んだ酸素の1から3%が活性酸素になるといわれています。
活性酸素はミトコンドリアの蛋白、脂質を酸化してダメージを与え、老化発がんを促進します。
過剰な活性酸素を消去することが、健全な代謝を継続するために必要です。
ミトコンドリア内で最初に生じる活性酸素はスーパーオキシドです。
スーパーオキシドはSODという酵素で過酸化水素に変換されます。
過酸化水素はさらにグルタチオンペルオキシダーゼやアスコルビン酸ペルオキシダーゼで
無害な水に変換されます。
ビタミンC、グルタチオンは直接活性酸素を消去することもできます。
ミトコンドリアの外の細胞質に漏れだした活性酸素は細胞質のSOD カタラーゼ、ビタミンCなどにより
消去されます。
このように代謝に伴い生じる活性酸素をしっかりと消去することが若さを維持して健全は
皮膚を保つための絶対条件になるのです。
代謝を上げるためにはビタミンABCが必要です。
またピルビン酸、αリポ酸そしてコエンザイムQ10も代謝を円滑にするために必要です。
これらの物質を内服あるいはスキンケアすることが代謝を上げるために必要です。
では活性酸素を消去するためにはどうしたらいいのでしょうか?
体内の代謝を上げて活性酸素を消去する仕組みについて次回詳しく解説します。