細胞の発電機であるミトコンドリアが活性酸素によってダメージを受けて
高エネルギー物質であるATPの産生が低下することが肌を含む全身の老化の原因であると
解説しました。
ミトコンドリアでは取り込んだ酸素の2から3%が機械的エラーでスーパーオキシドという活性酸素になります。
スーパーオキシドはSODという酵素により過酸化水素になります。
過酸化水素はグルタチオンペルオキシデースでビタミンCにより水に変換されます。
これらの活性酸素を消去する反応で還元型のビタミンCは酸化型のビタミンCであるデヒドロアスコルビン酸になります。
デヒドロアスコルビン酸を還元するのはグルタチオンです。そうするとグルタチオンが酸化します。
酸化したグルタチオンを還元するのはNADPHという電子供与体です。
NADPHはその構造の一部にビタミンB3を持っています。
NADPHはミトコンドリアのクエン酸回路や解糖系、ペントースリン酸回路で作られます。
NADPHは解糖系やミトコンドリアの代謝が正常であればどんどん作られます。
ビタミンCやグルタチオンあるいはビタミンB3は細胞質からミトコンドリアないにどんどんとりこまれます。
これらの物質が十分にあると、ミトコンドリア内の活性酸素は十分に消去されます。
消去されない場合、活性酸素は細胞質や細胞外に放出され炎症を起こします。
さらにミトコンドリアのDNAや電子伝達系の蛋白にダメージを与えATP産生能を低下させてしまいます。
活性酸素をミトコンドリアの機能低下を抑制するにはビタミンC、ビタミンB群、グルタチオンなどが必要になります。
ビタミンB2は半分だけ酸化したビタミンCを還元するのに必要です。
またNADPHを供給いたり、ミトコンドリア全体の代謝を上げるには
ピルビン酸をミトコンドリアにいれるビタミンB1 脂肪酸をミトコンドリアにとりいれるビタミンC
ピルビン酸をアセチルCoAに変換するレチノールやビタミンB群が必要です。
最近ビタミン用物質であるピロロキノリンキノン(PQQ)が乳酸脱水素酵素を活性化して、ミトコンドリアの
ピルビン酸ぼ取り込みを増加させることが報告されました。
またPQQはPQQH2としてビタミンCなどと共に体内の酸化還元状態を制御していることが分かりました。
最初の図に書いたように、NADPを還元したり、酸化したビタミンEを還元する作用があります。
体内の活性酸素を消去して代謝を上げるにはビタミンABC以外にグルタチオン、PQQも大切なのです。
ビタミンABC以外にPQQやグルタチオンを皮膚に取り入れることができれば肌の老化は抑制できます。
グルタチオンは肌に塗っても入らないといわれています。
そこでグルタチオンは白玉点滴として静脈を介して皮膚に届けることが行われているわけですね。
青山ヒフ科クリニックではグルタチオンを皮膚に届けるアプローチを検討中です。
ご期待ください。
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