メラニンやミトコンドリアと反応して熱融解を起こすのが出力を上げた
アレキサンドライトレーザーやヤグレーザーの作用機序です。
ヒトの体でレーザー光を吸収する成分が水です。
水と反応して熱を生じて水分を含む細胞や組織を熱で蒸散させるのが波長2940nmのエルビウムヤグレーザーと
波長10600nmの炭酸ガスレーザーがあります。
上の図に示すようにエルビウムヤグレーザーは非常に水分と反応しやすい性質を持っています。
炭酸ガスの10倍くらい水分に吸収されるので、あまり出力を上げずに(表皮から真皮上層)を
蒸散させるスキンリサーフェイシングに使用されます。
このレーザーの面白いところは、水分が30%しかない角層は破壊せずに表皮から真皮層を破壊できることです。
そのため上皮化反応をおこすクレーターの治療、肌の代謝促進作用(アンチエイジング )
そして閉塞した毛穴を解除することによるニキビの治療に使用されます。
一度ピクセルを照射すると瞬時に炎症が収まり1,2か月はニキビが発生しないので
何らかの抗炎症作用も発揮するのかなと思っています。
上はピクセルを照射した皮膚です。皮膚の一番上に存在する角層が残っているのに
その下の表皮と真皮上層が変性しています。
このため、皮膚の湿潤、色素沈着などのダメージを残さずに皮膚の代謝を促進することが可能です。
炭酸ガスレーザーは皮膚のほくろやイボの治療に使用されます。
ピクセルより深く皮膚組織を蒸散させるのに使用されます。
蒸散とは熱で蒸発させて消失させることです。
上は盛り上がった顔のシミを炭酸ガスレーザーで治療したものです。
炭酸ガスレーザーで色素沈着が残ったらアレキサンドライトレーザーを使用します。
上は鼻の上のホクロを炭酸ガスレーザーで除去しました。
鼻の上は皮膚が薄いので、へこまないように除去するのがポイントです。
青山ヒフ科クリニックではへこみを防止するオリジナルの外用剤と注射を併用してホクロを除去します。
このようにレーザーはいろいろな皮膚疾患の治療に使用されます。