トラネキサム酸は炎症を抑えて赤ら顔を治します | 青山ヒフ科クリニック院長Dr.亀山のオフィシャルブログ

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表参道にある青山ヒフ科クリニック 院長 亀山孝一郎のブログです。

トラネキサム酸は止血剤、美白剤、抗炎症剤として使用されてきました。

最近、コラーゲンの合成を促進する作用なども見出されました。

またトラネキサム酸を内服すると、炎症を起こす肥満細胞が皮膚で低下することも

報告されています。

 

トラネキサム酸は止血作用を持つフィブリンを分解して、血液の凝固作用を解除します。

また炎症を起こす作用を持つプラスミンに結合して炎症を抑制します。

プラスミンは炎症を起こす肥満細胞、マクロファージ、表皮細胞などに

結合して、活性酸素、蛋白分解酵素、サイトカイン、ヒスタミンなどが

放出されるのを抑制します。

 

上の図のように表皮細胞は常にプラスミンやカリクレインという蛋白分解酵素を産生して

目に見えない穏やかな炎症を起こしてします。

この炎症をトラネキサム酸やビタミンCなどがおさえます。

トラネキサム酸はトリプターゼという肥満細胞が放出する蛋白分解酵素の作用を抑制することが

報告されています。

トラネキサム酸はPAR2にトリプターゼが結合した後のシグナル伝達を抑制してトリプターゼの作用を抑制します。

 

上の図に示すようにトラネキサム酸はPAR2という蛋白分解酵素の受容体のシグナル伝達を抑制します。

カリクレインという表皮細胞が産生する蛋白分解酵素もPAR2を受容体とするのでこれを抑制します。

PAR2を持つ肥満細胞の活性化もある程度抑制します。

カリクレインは酒さやアトピー性皮膚炎で

また血管の内側にある内皮細胞のPAR2を抑制して、内皮細胞の間から炎症性細胞が皮膚に遊走し

赤ら顔を起こすのを抑えます。

またビタミンCはPAR2の数を抑制することが報告されています。

したがってビタミンA,B,Cとトラネキサム酸などを導入する赤ら顔ABCコースは

強力に炎症、赤ら顔を抑制します。

治療前 第1度の酒さです

赤ら顔ABCコース トリートメント後です。 赤味は全く消失しています。