アクネ菌は1平方センチメートル当たりの皮膚に100万存在しているそうです。
常在菌として皮脂のトリグリセリドをグリセロールと脂肪酸に分解します。
脂肪酸が皮膚を弱酸性に保ち、グロセロールが皮膚に潤いを与え他の病原性を持つ細菌の繁殖を許さない。
イソギンチャクとクマノミの様な共生生活をヒトとアクネ菌は送ってきたのです。
いまでも未開の人々ではニキビは全くないそうですが、高脂質、高糖質の食生活を
するようになったヒトでは皮脂の分泌が増え、それを餌とするアクネ菌も増加してきました。
アクネ菌がある一定数以下だとニキビは起きないのですが、ある程度増加して、皮脂が
詰まるとニキビが発生します。
アクネ菌の生存部位を調べてみたら、面白い結果でした。
手のひらと足の裏には皮脂腺がないので手のひら、足の裏にはいないだろうと思いましたが、
なんと、いない部位のほうが面積は広いのです。
上の僕の写真でニコニコマークがあるところがアクネ菌の生存部位です。
頭の中、顔、肩、胸、腕の上部、背中も全面と同じ高さ以上の部位に存在します。
アクネ菌がいるところはニキビが生じるところです。
手足の先にはアクネ菌がいなく、ニキビもできません。
アクネ菌がいないので、遊離脂肪酸も少ないはずですが弱酸性を保っています。
おできができやすいこともありません。
グリセロールが少ないので乾燥しやすいのですが乾燥性皮膚炎を起こすほどではなく、
保湿剤をつかえば対応可能です。
アクネ菌がいない部位のほうが毛穴が目立たずいいのではと思いました。
アクネ菌は本当に必要な常在菌なのでしょうか?
素朴な疑問が湧いてきました。
もちろん、真冬の吹雪の極限状態では皮脂の分泌の多い、少ないで肌の状態は大きく
異なるでしょう。
以上のことから、普段の生活ではアクネ菌は不必要なのでニキビ治療においては抗生物質などを使用してアクネ菌を一層することも重要なのです。