壽初春大歌舞伎 | MamMa Mi〜A ♡アナウンサー 青柳万美のBlog  

MamMa Mi〜A ♡アナウンサー 青柳万美のBlog  

映画、舞台、そして人と食!
日常のあらゆる"おいしい出会い"に感謝をこめて 

今月2日に初日を迎えた『四代目中村鴈治郎襲名披露 壽初春大歌舞伎』夜の部を観劇してきました。

上方歌舞伎を代表する名跡「鴈治郎」。
初代が亡くなったときには新聞の号外が発行されたとか。
3代目が坂田藤十郎を襲名したことで(この名前が復活したこともものすごく大きな意味があるのですが)イ菱紋の「がんじろはん」が不在になっていたわけです。
上方の文化を代表する看板が復活する、のですからこれを契機に上方歌舞伎も上方の文化全体も活力を高めてほしいですね。
今日の口上に上がった役者の皆さんのお祝いの挨拶から「上方の息吹をもっともっと大切にしていきたい」という強い覚悟と願いが感じられました。
{0EF5EE4F-381B-4AF2-B6CE-FB497327584E:01}

さて、演目ですが夜の部は
○真山青果作『将軍江戸を去る』
大政奉還をしたものの、官軍への不満を持ち始めていた徳川慶喜(中村梅玉)に諫言する山岡鉄太郎(中村橋之助)、高橋伊勢守(坂東彌十郎)のやり取りが重厚な台詞劇で繰り広げられます。
切ないのですが、「新しい時代の夜明け」を感じさせる幕切れにぐっとくる作品です。
最近橋之助さんと真山ものの組み合わせを拝見する機会が多いように感じます、なんとなく。

○四代目中村鴈治郎襲名披露 口上
先にも書きましたが、皆さんの上方愛と歌舞伎への情熱が込められたご挨拶でした。

○玩辞楼十二曲の内 封印切
恋飛脚大和往来からの一場面。
梅川へ会いたいあまり、新町に足が向かってしまった飛脚問屋の養子忠兵衛。
周りから「忠様」と慕われる色男忠兵衛は初世鴈治郎の当たり役でお家芸となりました。
八右衛門との諍いから武家の公金の封印を切ってしまいます。
それがばれないようにしながら、その金で梅川を身請けする忠兵衛ですが、打ち首は逃れられない大罪。死を覚悟する忠兵衛と、恋しさからついて行くことを選ぶ梅川。
そうとは知らず二人を祝う周囲。
なんとも切ない情景で幕となります。

忠兵衛に中村鴈治郎、梅川に中村扇雀、治右衛門に中村橋之助、井筒屋おえんに片岡秀太郎、そして八右衛門に片岡仁左衛門と、もうとっても豪華な配役です。

おえんや治右衛門のやり取りから忠兵衛の人としての魅力が伝わってきたり、にくったらしい八右衛門と忠兵衛の丁々発止のやり取りと封印切までの息をのむ展開、梅川とのやり取り。
愚かなこともいっぱいしてしまうけれどそれも含めて愛らしい、人間のおかしさが際立ってきます。
観るのに必至になってしまって、全身に力が入っていたのか、幕が閉じた後、足がしびれていました。

○棒しばり
締めくくりは舞踊。
主人の留守に酒蔵に入っては酒を飲む太郎冠者と次郎冠者。
今度はそうはさせまいと主人が二人の両手の自由を奪うのですが、酒好き二人はそれをものともせずに酒に興じるのでした、という流れ。
片岡愛之助、中村壱太郎という若いメンバーで演じます。フレッシュですが少し力みがちでしょうか・・・。
以前、勘三郎・三津五郎の組み合わせで観て、滑稽さと踊りのうまさを堪能した記憶が強いのでどうしてもその時のことを思い出してしまうのですよね。

今回、劇場内には襲名を祝う展示がいたるところにありました。
{97527F1B-A18B-4879-9DA1-1024E5AEBA2F:01}

ので、なんとなく、ツーショットも

{7C95729B-4631-4781-B7B8-982BFD78CA51:01}

そして、番付を読んでいるとやはり昼の部も観たくなってきました・・・ラブ

芝居との出会いもその瞬間瞬間しかないので、出会いたい!!と思ったら行動なくては、ね音符

四代目中村鴈治郎襲名披露 壽初春大歌舞伎は今月26日まで。
2月1日からは演目と出演者をかえて襲名披露興行が行われます。