『源氏物語』⑮ | 古文,読んでみよ?

『源氏物語』⑮

おはようございます。

 

いつも読んでくださり、ありがとうございます。

 

『源氏物語』の「おっ!」と思うようなフレーズを紹介しています。

お付き合いいただけると、嬉しいですニコニコ

 

今日は「若紫」の終盤から。

 

光源氏が紫の上を自邸に無理やり(!!)連れて行ってしまった後、

実父が引き取りにやって来るのです。

 

でも、女房たちはまさか光源氏が連れて行ったとは言えず、

お父さんは「行方をくらましてしまった」、と嘆くのです。

 

このお父さんの正室(古文では「北の方」と呼ばれます)は、

紫の上のお母さんをに圧をかけていたのですね。

 

一夫多妻ですから、ありがちですよね。

 

なので、お父さんも、今さら紫の上を渡したくない、という気持ちも

わかるわけです。

 

そんなこんなで、その、北の方の思惑がちょこっと書かれています。

 

「北の方も、母君を憎しと思ひきこえたまひける心もうせて、わが心に

まかせつべう思しけるに違ひぬるは口惜しうおぼしけり。」

 

(現代語訳)

「北の方も、母君を憎いと思い申しておられてお気持ちも今は失せて、姫君をご自分の思いのままに扱うことができようと思っていらっしゃったところが、あてのはずれてしまったのは残念なこととお思いになるのだった。」(『新全集』より)

 

 

継子いじめのパターンですよね。でも、そうはならなかった!よかったー

 

けれど、こういう文章もきちんと入れてくるあたり、

やっぱり『源氏物語』は深みが出るのですよね……照れ

 

 

今日も読んでくださり、ありがとうございましたおねがい