土曜日、待ち合わせから少し経ってランチのお店を探していた

大きな通り沿い角ビルの地下、階段を降りると木の格子の入口

静かな和食の店、ご夫婦二人で切り盛りしている様子

 

白木のカウンターの中ほどに案内してもらう

遅めの時間でランチ営業終了間近

店内には私たちの他にはカウンター奥の男性一人の方と、

背を向ける形になるテーブル席に二人で座る人たち

 

ご馳走してもらえることになっていたので、選べるコースは高い方を選択した

横並びに座ったから、オーダー以外の会話が周りの方まで聞こえることはなかったはずである

一番奥に座る男性は常連の方らしく、女将さんと親し気に会話を交わしながら食事をしている様子で、静かな店内に微かな笑い声がしていた

デザートが出るころ、店内は私たちと、その常連さんだけになっていた

 

調理をしていた大将が私たちの分の用意が終わったのか、振り返ってその方と軽く話をして、私たちの前に立った

「今、お話してもよろしいですか?」

「あ?はい」

「あの奥のお客様が少しお話したいことがあるとのことなのですが、いいでしょうか」

 

その男性は私について話したいとのこと

普通の人には理解してもらえない、本当に孤独な魂でありパーソナリティであること

心のうちは真っ暗な、しかし黒なのではなく深海のどこまでも深い藍色

他人に自分を理解してもらうことは難しい、それがかなわないことで傷ついたりしないように、わかってもらえないものと思って付き合うことが大切

 

常連さんはそれだけを話して、店を出た

「“視える”方なんですよね、、誰かに話したいと言われたのは初めてなんで、私たちも驚いています」と女将さんからフォローがあった

 

私と食事をしていた男性は居心地が悪かっただろうか

優しい彼は私を理解したかっただろうけれど、まさに私はその頃にはわかってほしいが不可能なことを感じていた

 

数年後、簡易セッションではあったが、感受性の高いセラピストにオーラを診断してもらったときのこと

何度も何度もやり直してから

「はぁ~やっぱりこれでいいんだぁ…」とため息とともに

「こんな人いないんですよね、普通」と言った

彼女の診断結果は、広げられた色シートの中で最も暗い色ディープマゼンタを指していた、その色の特性については何も話すことはなかったけれど

 

数年越しの両者の見解の一致が答え合わせのようで面白かった