特捜最前線『傷痕・夜明けに叫ぶ男』 | 公式塾長のブログ

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学習塾特命係

私が長坂という脚本家が好きではない理由として、キャラクターの描き方がある。どうしてもマンガなのである。あるあるが感じない。例えばこの作品に出てくるじいさんも、加藤嘉というすごい俳優が演じている割に、何か人間味を感じない。「良い人」なのである。こんな良い人現実にいない。また、小林昭二演じる代議士も、犯罪の理由が安直すぎる。ただの「悪い人」なのである。そして、殺害後のアリバイで彼はパーティーか飲み会に行っているようだが、人間、人を殺したあとのある種興奮状態でそう簡単に飲み会に行けるものだろうか?とか考えてしまうのである。それを言ったらすべての刑事ドラマは成り立たないと言われるが、私の特捜最前線というドラマに求めるものは、そういった現実に近い人間を描くことなので、やはりこの脚本家は好きになれない。爆弾マニア、テロリスト、ショッカーみたいな犯罪組織、泥棒のプロなど、現実的ではない。トリックは確かにうまいのだが、それは私は求めていない。そう比較して、どうしても塙五郎派に行ってしまう。犯罪者の心理、また被害者の心理、男女の心理、刑事の心理、そして社会の病巣、それらを丹念に描く贅沢なドラマが、私の求める特捜最前線像である。