前回の保温のおはなしはこちら。

キャンプで保温・燃焼実験

ぬるめに長時間温められるチェーフィング燃料。

 

なんであんまり一般に普及してないんでしょうねー。
成分の毒性が家庭向きではないからですかね(多分そう)。

パーティーやビュッフェでの料理の保温がメイン戦場なわけですが、キャンプや食卓でも意外と使い道がたくさんあります。
先日キャンプでおでんの保温に使ってかなりグッドだったし、食卓でのチーズフォンデュとかアヒージョとかにも焦げない温度で長時間使えるのが便利です。

旅館の一人鍋についてくるような固形燃料だと、火力強すぎるんだよなーって時ありませんか?

最初に買った燃焼容器がミニサイズだったから燃焼時間が短くて継ぎ足しが面倒で、今度は長く使える大きめでガラス容器のやつを購入することにしました。
燃料を容器に詰め替えて使うランプタイプのものです。

燃料となるヒートエース、ヒートエースマックス(主原料ジエチレングリコール)は揮発しにくいし発火点が147℃と高温なので、燃料に直接火を近づけても着火しません。
そのため燃焼にはグラスファイバーやロックウールなどの灯芯を備えた専用器具が必要です。

ヒートエースのシリーズでは「ヒートエース」と「ヒートエースα」があり、それぞれ「スタンダード」「デラックス」があります。現在はヒートエース"α"のシリーズが主流っぽいです。

ヒートエース(ノーマル)

"α"じゃないヒートエースのシリーズは、スタンダードがポリカーボネート製でデラックスがガラス製。
スタンダードが簡易的なフタと灯芯、デラックスは火力調整ができる繰り出し芯式となっています。

 

 

スタンダード(ポリカーボネート)、デラックス(ガラス)共通

  容量 燃焼時間
ミニタイプ 90ml 2時間
ロータイプ 95ml 2時間
ハイタイプ 200ml 4.5時間

ヒートエース(アルファ)

ヒートエースαの容器の方はスタンダードもデラックスも両方ガラス製。
無印とは形態が違いますが、やはりスタンダードが簡易的なフタと灯芯、デラックスが火力調整ができる繰り出し芯式となっています。

 

 

 

 

いずれもガラス製容器、フタが違います。

  • 4Hタイプはスタンダードタイプのみです。
  容量 燃焼時間
ロータイプ 45cc 1時間30分
4Hタイプ 120cc 4時間
6Hハイタイプ 188cc 6時間

ポリカーボネート容器の方が軽くて割れる心配もないのでキャンプ向きだと思いますが、ニチネンさんのサイトにはノーマルのシリーズがもはや掲載されておらず、売っている店舗を探すのがちょっと大変だったので、こちらはもう廃番商品なのかもしれません。残念です。

新型購入しました。

というわけで2台目はヒートエースα デラックスのハイタイプにしました。燃料をフルで入れると6時間、火力によってはもっと長く保温できると思います。

容器はガラス製で、繰り出し芯式。
これなら芯を出す量による火力調整も容易です。

並べるとなかなかデカいですね。
前のやつは「ミニ(90cc)」で、今回は「ハイタイプ(188cc)」だったのでそりゃまあ当然か。

火力を控えめにして、紅茶やお湯の保温とかにもとてもいいです。
アルコールランプじゃ強すぎるし、ティーライトは弱すぎる時あるし。希望する火力に調整できるから安心です。
揮発しにくい燃料なので、使い終わったら一回消して明日また使うとか普通にできますから、使い勝手もいいのでは。

 

ここまでヒートエースの話しといてなんですけど、たぶん普通のアルコールランプでも灯芯をオイルランプ用のグラスファイバー製のものに替えれば使えるんじゃないかなと思います。
アルコールランプをお持ちでしたら試してみてもいいかも。

  • ほかの燃料と同様に、ジエチレングリコールには毒性があります。お子様やペットの手に届くところに置かないよう注意。小動物等にはかなり危険です。
  • ジエチレングリコールは皮膚から吸収されません。触れてしまっても大丈夫なのでその場合は水洗いしてください。微量なら自然界で容易に生分解する成分です。

しかしとにかくお店で売ってないですねえ。
燃料とか燃焼器具ってどこの棚にも適当に置くってわけにはいかないし、たぶん販売許可とかもいるのでしょう。
わかる、わかりますよ。
とはいえこれ系の商品、どうにも販路が狭くて、なにがどこで売られてるのかよくわからない。業界専用のカタログでしか全貌がわからないんじゃないのか。

つまり一般人には非常に買いにくいんですよ。
せっかくアウトドアブームが来ているわけですし、「ガスや電力を使わず、火力がやや弱くて長持ちする」という特性を生かしてもっと広い用途でアピールすればいいのになーとか思ってしまいますね。

チェーフィング500

次に、いま気になってるけどとても入手できそうにないものがこちら。

本体の網状の触媒に、反応材から揮発したメタノールが触れて酸化することで発熱するそうです。

ホワイトプロダクト

チェーフィング500&専用反応材メタ500

火が出ず、二酸化炭素と水に分解される安心安全システム。
通常「火気厳禁」である公園とか花見とかのシーンでも便利に利用できたりするんじゃないかなあと思うわけですよね。
なんなら災害時には避難所なんかでも使えるのでは。
「調理」できる熱量がなくても別にいいんですよ。汁物とか熱燗を温められるくらいの熱が得られれば…

今のところ完全に業務用のものしかないので、お値段的な問題でさすがに入手できずにいますが、これすごく使ってみたいですね…アウトドア・防災向けにも商品展開すればいいのに。