保育器の赤子を臥せる母親を散らして進む靴音高し



冬越しの蝶のごとくに日だまりの色のひと葉の街中を飛ぶ



思うままを綴る暇もなしという友よりの文やや尖りいし



雨の夜はクジラの歌を聞かまほし水に囲まれ近く思えば