未だ残る霜柱を見て父の手を離れて踏みてまた戻る児の



地下鉄の揺れの大きをおそれずに幼児は手をふりほどき立つ



母の背の児と目が合いて同じ様に首を傾げる癖は抜けざり



一駅をともに過ごして別るのみの親児のさまをひと日思えり