てのひらに梢を透りひと群れの桜の蕾の影が映れり



開け放つ窓より入りし穏やかな風に帳の影の濃く揺る



花びらに立つ陽炎か薄き襞を透きてヒナゲシ窓辺に白し



月浮かぶ朧に青き夜にかかり春を呼びいるしるしとなりて