【連載③】「点頭てんかん(ウエスト症候群)」の確定診断|ダウン症・PVLとの合併と予後 | Aonote-アオノート-|ダウン症・PVL・超低体重児Aoの成長記録

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ダウン症・PVL・超低体重児として生まれたAoの成長記。日々の喜びや工夫、支援制度の活用など。誰かの勇気になれますように…。

😭 診断結果は点頭てんかん(ウエスト症候群)、新たな闇が家族を覆う

こんにちは、Aoパパです👋

前回の続きです。

火曜日、主治医から「おそらくてんかん」と示唆されてから2日。

木曜日、脳神経外科で告げられた病名は、私たちが最も恐れていたものでした。

「点頭てんかん」、いわゆる「ウエスト症候群」です。

そして、診断のショックから冷静になった時、私の頭に浮かんだのは「さらなる地獄」のシナリオでした。


最初の記事はこちら⤵️

前回の記事はこちら⤵️

私たちのこと⤵️

 

🏥 そして、運命の木曜日

📌 妻からのLINE。心臓が嫌な音を立てる

火曜日の主治医の診察で「おそらくてんかん」と示唆されてから、2日後の木曜日。

脳波検査の結果を聞くため、妻はAoを連れて脳神経外科へ向かいました。

私は仕事で、今回も同行できませんでした。

妻からLINEが入りました。「今から診察室」

その瞬間、私の心臓は嫌な音を立てていました。

 

📌 途中経過のLINE。絶望への階段

診察中も、妻は途中経過をLINEで送ってくれました。

「脳波の結果、やっぱりてんかんだって」

「点頭てんかんって言われた」

「薬の治療を始めるって」

一つ一つのメッセージが、私を絶望の階段へと引きずり降ろしていきました。

😨 確定診断「点頭てんかん」、別名「ウエスト症候群」

📌 告げられた病名は、最も恐れていたもの

告げられた病名は、私たちが最も恐れていたものでした。

「点頭てんかん」、いわゆる「ウエスト症候群」です。

あの「ビクッ!」とする発作。

素人目に見ても症状が当てはまっていたので、心のどこかで「やっぱりか」と思う自分がいました。

しかし、それと同時に、「一番聞きたくなかった言葉だ」と絶望する自分もいました。

 

📌 ウエスト症候群とは何か(改めて解説)

ウエスト症候群(点頭てんかん)は、生後3ヶ月〜11ヶ月の赤ちゃんに発症する、難治性で予後不良とされるてんかんです。

 詳しくはこちらで⤵️


🎯 ウエスト症候群の特徴

  • 発作の形:「お辞儀発作(点頭発作)」と呼ばれる。頭をカクンとさせたり、両手をビクッとさせたりする発作を、短い間隔で繰り返す(シリーズ形成性スパスム)
  • 発作のタイミング:睡眠から目覚める時や入眠時に起こりやすい
  • 脳波の異常:「ヒプスアリスミア(hypsarrhythmia)」という特徴的な異常脳波が見られる
  • 発症時期:生後3〜11ヶ月が最も多い(Aoは生後9ヶ月・修正月齢5ヶ月でドンピシャ)

💔 なぜ、私たちがここまで絶望するのか

📌 予後不良という現実

「てんかん」にも色々ある中で、なぜこの「ウエスト症候群」が、私たちをここまで絶望させるのか。

それは、この病気が「難治性(なんちせい)」であり、「予後不良(よごふりょう)」とされることが多いからです。

 

⚠️ ウエスト症候群の最大の問題点

この発作が脳の発達に深刻なダメージを与えること。

たとえ治療で発作が止まったとしても、重い知的障害や発達の遅れが残る可能性が極めて高いのです。

早期発見・早期治療が重要とされる理由は、発作が続けば続くほど、脳へのダメージが蓄積されるからです。

📌 ダウン症・PVL・そしてウエスト症候群

Aoはすでにダウン症(21トリソミー)による知的障害のリスクを抱えています。

さらにPVL(脳室周囲白質軟化症)による重度の運動機能障害も予測されています。

それだけでも、Aoは重すぎるハンデを背負っているのに、さらに「ウエスト症候群」による脳へのダメージ…。

神はなぜ、こんなにもAoを苦しめるのか。

神はなぜ、私たち家族を、次から次へと闇に突き落とすのか。

😔 目の前で眠る息子と、言葉にできない闇

📌 帰宅した妻に最初に言った言葉

病院から帰宅した妻に、私が最初に言った言葉はこれでした。

「やっぱりそうだったね」

妻も、静かに頷きました。私たちは、最初から分かっていたんです。

でも、認めたくなかった。

 

📌 すやすや眠るAoを見つめながら

目の前では、Aoがすやすや眠っていました。

可愛い顔。

何も知らずに、ただ眠る息子の顔。

言葉にできない闇が、私たち夫婦を包み込みました。

胸が痛い。

涙も出ない。

ただただ、重い。

 

💡 ウエスト症候群の治療法
ウエスト症候群の治療は、早期開始が重要です。主な治療法は以下の通りです。

  • ACTH療法:副腎皮質刺激ホルモンの注射。最も効果的とされるが、入院が必要で副作用も多い
  • ステロイド療法:プレドニゾロンなどのステロイド薬を内服
  • 抗てんかん薬:ビガバトリン(日本では未承認)、バルプロ酸、ゾニサミドなど

治療の目標は、発作を止め、脳波の異常を改善し、発達への影響を最小限に抑えることです。

📌 Aoの治療方針は

Aoの治療方針はというと、まずはバルプロ酸の投与から始めて様子を見ていくことになりました。

改善が見られなければ、最終的にはACTH療法に入るということ。

渡された紙に書かれていた副作用「脳退縮(に伴う脳出血もありうる)」の字が、この病気の重さを教えます。

どうか、それまでに収まりますように…。

医師から渡された紙⤵️


😱 絶望の先に見えた「次なる地獄」

📌 帰宅しながら気づいた、さらなる闇

病院から帰る途中、妻からのLINEを見ながら、私はさらなる闇に気づきました。

それは、「てんかんの薬は、強い眠気が出ることがある」という副作用でした。

 

📌 眠気→ミルクが飲めない→経管栄養→保育園絶望

もし、薬の副作用でAoが眠り続け、ミルクを飲めなくなったら?

答えは一つです。「経管栄養(鼻チューブ)」の開始。

 

⚠️ 経管栄養が始まったら…地獄のシナリオ

  • ただでさえHOT(在宅酸素)が外れるかどうかが保育園入園の鍵だったのに…
  • 経管栄養という最強レベルの医療的ケアが始まったら、もう保育園入園は絶望的
  • 保育園に入れなければ、Aoママは失職
  • 家計は傾き、一家の命が危ぶまれる

📌 診断のショックから、現実的な「破綻」へ

診断のショックから、一気に現実的な「破綻」のシナリオが頭を駆け巡りました。

てんかん、という病気そのものの重さ。

そして、薬の副作用が引き起こす、私たち家族の崩壊。

底が見えない。どこまで落ちていくのか、分からない。

 

💡 医療的ケア児と保育園入園問題
医療的ケア児の保育園入園は、自治体によってハードルが大きく異なります。

多くの自治体では「在宅で安定した生活を1年以上」などの条件があり、医ケアの内容によっては受け入れ可能な園が極めて限られています。

経管栄養やHOTなどの医ケアがある場合、看護師配置のある園でないと受け入れが難しく、入園できなければ親は仕事を続けられないという深刻な問題があります。

😊 絶望の夜、息子が見せた「マイペースな強さ」

📌 頼む、ミルクを飲んでくれ…

治療薬が始まる日の夜。

私たち夫婦は、ただ祈ることしかできませんでした。

「頼む、ミルクを飲んでくれ…」

「薬が始まっても、どうか眠らないでくれ…」

「経管栄養にならないでくれ…」

親が勝手に絶望し、勝手に祈る中、Aoは…。

 

📌 2時間飲みっぱなし、おかわり2回、計200ml以上

Aoは、2時間近くかけて、途中でおかわりまで要求し、計200ml以上を飲み干しました。

私たちの絶望的な祈りなど露知らず、ただひたすらに「飲みたい」という生命力を見せつける息子の姿。

そのマイペースな強さに、私たちはちょっとだけ、本当にちょっとだけ、笑顔をもらいました。

 

💡 Aoのマイペースな強さ
「どうか飲んでくれ」と祈る親の必死さをよそに、Aoはいつも通りマイペースにミルクを飲む。

この子は、私たちが思っている以上に強いのかもしれない。

そんな希望を、ほんの少しだけ、感じた瞬間でした。

🌑 底の見えない闇の、新たな一歩

📌 私たちの人生は、どうなってしまうのか

私たちの人生は、どうなってしまうのか。

神の試練は、これで本当に終わりなのか。

何もわからない。何も見えない。

 

📌 それでも、歩き続けるしかない

でも、立ち止まることはできません。

Aoは、今日も生きています。

私たち家族は、底の見えない闇の中へ、また一歩、足を踏み出したのでした。

 

💙 最後に

「点頭てんかん(ウエスト症候群)」という診断は、私たち家族に大きな衝撃を与えました。

病気そのものの重さ、予後への不安、薬の副作用、経管栄養のリスク、保育園問題、家計崩壊…。

絶望は次々と姿を変えて、私たちを襲います。

それでも、Aoは今日もマイペースに生きています。

私たちも、歩き続けます。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました🙏

 

同じようにお子さんがウエスト症候群と診断された方、医ケア児の保育園問題に悩んでいる方、てんかんの治療に不安を感じている方の少しでも参考になれば幸いです。

 

※この記事は個人の体験に基づくものです。ウエスト症候群の症状や予後、治療法には個人差があります。気になる症状がある場合は、必ず医療機関を受診してください。また、保育園入園の条件は自治体によって大きく異なります。