その日の夕方はテレビと留守番だった。

一人遊びが大好きな5歳の私は、テレビと留守番は何より好きだった。誰にも邪魔される事なく自分の世界にドップリ浸れる。

その日の夕方は「おそ松くん」の再放送があった。
私はチビ太ファンだ。自分がチビであるし、家庭内に於いても1番チビだし、そんなわけで、すぐに小さい事やモノに感情移入していた。
{8B3DE4E2-626D-4818-92F1-4F135EE1BD65}
『トムとジェリー』では「ジェリー」
{1322A12D-C7D6-4194-8341-83130172CF16}
『宇宙少年ソラン』では「チャッピー」
{0E892BEA-CEF4-4248-A682-29C16EC4EFD8}
『魔法使いサリー』では「3つ子」
{C12B5C7E-1D25-4089-9A56-7D0E8EEE536B}
『ブーフーウー』では「ウー」1番右
{08733067-9203-4519-B8F9-5D34BE93E4BE}
『仮面の忍者赤影』では青影「ダイジョーブ」
{6629F900-DCD2-4F3B-AD55-D06E81300DC3}
そして『おそ松くん』ではチビ太

この法則に則れば、ガラかめでは「北島マヤ」になりそうだが、そう言うわけではありません。ガラスの仮面を少し語る⬅︎click

検索すると割となんでも分かるよ!
と言うこの便利な世の中で、それを私は利用せずにはいられない。

どうしても調べたかった事柄の一つに、幼い私がどの「おそ松くん」を見てあんなに泣いたのか?
知りたかった。

自分の記憶の中には、チビ太が泣きながら川に工具を流している。チビ太の服装は、トレンチコートとハット。(もちろん、うろ覚え。)

一度検索したらこんなんが出て来た。
{FB351A4C-31F2-494B-BFF2-574F1773C382}
これは、「チビ太の子守唄」と言う表題で、そのお話は、

チビ太が捨て子を拾って内緒で育てる。それを仲間も内緒で見守る。最後に捨て子のお母さんが出て来て、チビ太に赤ん坊を返して、と、さめざめと泣く。涙は水溜りに変わる。最後はチビ太が赤ん坊を諦める。赤ん坊を諦めたチビ太の気概に全員号泣。いつになく、友情が深まる。

こんな感じ。

私は少々疑問を感じながらも、赤ん坊の母親が泣いて出来た水溜りを川と勘違いしたのかな…?と割り切った。これなら泣くわな…。



ところが今日、
またまたチビ太を思い出して、
またまた、何を観てあんなに泣いたのか、


…前回納得しきれていなかった事に気がついた。


もう動画は見られないが、子供を捨てておいて、やっぱり返して、って泣く母親なんか納得出来なかった。幼い私も同じことを多分思った。これを観て幼い私が泣くとは私が思えなかったのだ。


そしたら、こう言うモノを見つけた。


私はこれだ……!

と超納得!



動画は、説明が加えてあり、観易くなっている。最後に、工具を捨てるのはハタ坊だし、トレンチコートにハットはイヤミだが。


間違いない…!


これなら泣くわな…!





金庫破りを生業としていたチビ太がまず出所するところから始まる。一度逮捕されて刑期を全うしたのだ。
{54D8CAA7-FC6D-48ED-8721-63A452039AC8}
出所したチビ太を待っていたのは子分のハタ坊。しかしチビ太は再起を誓い、トト子ちゃんの家の魚屋で真面目に勤める。改心を邪魔するおそ松くん達。
{5D4427EA-C803-4B9C-ACF0-9FE745055AE2}
チビ太のおかげで儲かった魚屋は大きな金庫を買う。手違いでおそ松くんたちが金庫に閉じ込められる。
{E9ED414C-8862-4F81-B339-392B18AA250C}
金庫破りのチビ太は道具を出すと逮捕される。
悩んだ末自分の身と引き換えに金庫破りをする。
{D59AFC1D-4448-4830-B1E9-0936608D24C6}
結果おそ松くんたちは命を落とす事なく金庫を脱出する。チビ太は金庫破りの犯罪を起こしたと、自首する。
{0F7D2E17-6AB6-449E-9468-066AD7FB655F}
執拗にチビ太を追いかけていたイヤミ。
{EEE2CA3D-4D0C-4473-85AA-4EFC98754E31}
そして、二度と犯罪を起こさない為にチビ太(ハタ坊)は、工具を川に流すのであった
{12B9F540-E73C-49C2-A368-483001732E00}
これは、テレビのオリジナルっぽい。{ED5F9372-0600-4BC8-98C5-87C1C7D6EE3F}


ー完ー


5歳の私にインパクトを与えるのに充分な内容である。


【シリーズ5歳の思考】

〜泥棒編〜

5歳の思考➡︎泥棒はダメ
5歳の思考➡︎泥棒は捕まる
5歳の思考➡︎泥棒は悪い奴
5歳の思考➡︎泥棒は世間のクズ
5歳の思考➡︎泥棒にならない

〜警察編〜

5歳の思考➡︎警察は正しい
5歳の思考➡︎警察は捕まえる
5歳の思考➡︎警察は良い人
5歳の思考➡︎警察は正義の味方
5歳の思考➡︎警察にはなれない

〜親分編〜

5歳の思考➡︎親分は正しい
5歳の思考➡︎親分でも捕まる
5歳の思考➡︎親分は良い時も悪い時もある人
5歳の思考➡︎親分は職人
5歳の思考➡︎親分は大親分になりたい

〜子分編〜

5歳の思考➡︎子分は曖昧
5歳の思考➡︎子分は逃げる
5歳の思考➡︎子分は親分の言う通り
5歳の思考➡︎子分は職人候補
5歳の思考➡︎子分は親分になりたい

〜命編〜

5歳の思考➡︎命は大切
5歳の思考➡︎命は有限
5歳の思考➡︎命はみんな同じ一つ
5歳の思考➡︎命は一度無くしたら戻らない


どうです!5歳でもこんな事を考えているのです!

その5歳の思考がグリグリされたのが、このお話であるのは明白。


【5歳の驚き】

泥棒でも改心する事がある。
警察も嘘つく時がある。
親分も子分を頼りにする。
子分は見極める。
命は泥棒より警察より親分より子分より大切。



私は瞬時にそれを悟ったのかもしれない。

大号泣!!



すっかりテレビに浸り涙が止まらない。止めよう。と思っても、滝のように流れる涙。止まらない。しゃくりあげながら、ただ泣く。泣く。膝を抱えて膝の間に顔を埋めて泣いた。声が漏れないように泣いた。川に流れる工具に泣いた。切ないと言う感情が初めて湧いた。


帰って来た母親が、そんな私を見て

「やだ!あんたテレビ見て泣いてんの?」

と爆笑した。そりゃそんなもんです。それが日常。
だけど恥ずかしいじゃないか!見るな!笑うな!




止まらない涙がすごく恥ずかしかった。
私の捻くれ性格のスタートがここに始まった。