~下北 再々訪 ―陸奥の奥庭~
10月11日(土)、むつ市立図書館での講演で下北にうかがいました。
その足で、青森学習センター元職員のEさんが勤めるむつ市「下北自然の家」に立ち寄り、山と海の豊富な自然を教育素材に利活用している状況を見学させていただきました。ここは本当に自然がゆたかです。ところが実はゆたかなのは自然だけではないことを、その夜知ることとなりました。
さらに風間浦村に足を伸ばし、すでにおなじみとなった0旅館に再びお世話になったのですが、今回は107㎏のマグロ三昧でのおもてなしでした。やはり絶品でした。
ふと、通りから聞こえるざわめきにつられて外へ出ると、表にはためく「若宮神社稲荷祭礼」、「奉納正一位稲荷大明神」の幟が眼を惹きました。おりしもこの日は、神社の祭礼でした。
夕方、旅館のご主人が2階の部屋にやってきて、「神様が通りますので、上から覗かないようにお願いします」と告げていました。神を載せた輿(こし)、神輿が通るからで、神様を上から見てはならぬのです。この地には神を敬う心が伝わっているのだと実感しました。
ヤンマ ヤーレー ヤンマ ヤーレー ヨイヤサー ヨイヤサー
ヨイ ヨイ ヨイ ヨイヤサー
「ヤンマ」とは山(山車)の意だと、地元の人が教えてくれました。このハヤシの声が、祭り灯籠の溢れた宵闇の海辺の路地に響いて、日本の古い祭りがここに活きています。ああ、どこかで見たなあという感じと、ある種のなつかしさに身が包まれます。祭りの人たちの笑顔が提灯の明かりに映えます。
下北は、異郷のように見えながら、じつは日本の原郷を彷彿させる、陸奥の奥庭とでも名づけたい深い自然と奥ゆかしい文化の土地柄です。また来たいと思います。
平成26年12月5日