~習慣ハ始メヲ慎ムベシ~
これは、明治の大ベストセラー『西国立志編』の一編です。
習慣というものがどれほど大事なのかを説いた小編です。
人はどんな境遇にあっても、おのずから「慣習ヲ造リ出」すものであり、もしそれを改めようとしても、なかなかできなくなってしまっている。
習慣というものは、その始めにおいては、その「力弱キコト、蜘蛛ノ糸ニ似タリ」と、細くて弱い「蜘蛛ノ糸」に喩えます。ところが、ひとたびそれを癖にしてしまうと、その弱かったはずの蜘蛛ノ糸が、「鉄鎖ヲ以テ束縛スルヨリモ強シ」と言います。
だから、最初が肝腎だと。
そこで、「習慣ハ始メヲ慎ムベシ」となるのですが、この「慎ム」とは「慎重に」の意味です。
単位認定試験が終わり、立春を迎え、次のステップを考えている方も多いでしょう。 その始まりにあたって、1日30分でも1時間でも、勉学のために割いてみましょう、そしてこれを習慣にしてみましょう。この積み重ねが後で大きく結実するのです。
この小編は、こう結んでいます。
「故ニ、始メヨリ善キ習慣ヲ長ズベキコトヲ、最要ノ努メトナスベキナリ」