青森県立郷土館のさとうです。

 

 前々回に引き続き、6月26日(日)に青森県つがる市木造地区で開催した「令和4年度第1回あおもり街かど探偵団」の様子をお伝えします。

 

前々回の様子はこちら

 

 

 佐野商店の次に向かった先はすぐ近くの法光山実相寺(ほうこうさんじっそうじ)です。

 ここでは、副住職から、この寺にまつられているスイコ様像について説明を受けました。スイコ様というのは、水虎大明神(すいこだいみょうじん)のことで、用水路などに住むと言われる水神カッパの元締めに当たる神とのことです。明治の初め、木造周辺の水路で子供の水難事故が起こったので、再発防止を願いを込め、当時の住職がこの像をまつり始めたといいます。

 その像を拝見したあと、隣の部屋に掛けてある十王図も拝見しました。人間が亡くなってから三回忌までに受ける様々な審判の様子を描いたものです。

 

 実相寺を出たあと、旧高谷銀行本店の建物に向かいました。

 大正初めに建てられたこの建物は、第五十九銀行の本店(現 青森銀行記念館)と青森支店(現 青森県立郷土館大ホール)を施工したことで知られる堀江組が手がけたものです。青森県の西洋建築、銀行建築の歴史を示すものであり、国の登録有形文化財となっています。

 

  次に、三新田神社に向かいました。

  この神社は、江戸時代の前期、木造の村が開かれたころに勧請された八幡宮が始まりと伝えられ、後に、神明宮・稲荷宮が合祀され、三社宮と呼ばれるようになり、木造新田のほか、金木新田・俵元新田の3つの新田の祈願所となりました。現在も、地域の方々の信仰を集めています。

 

 最後に、銀杏ヶ丘公園に行きました。

 

 この公園の敷地の一部は木造新田などを管轄する代官所の跡地です。現在でも、土塁の一部が残っています。また、この場所には1972(昭和47)年まで青森県立木造高等学校がありました。現在でも、旧制中学校以来の門柱が残っています。

園内

 

 園内で、木造新田と木造高校の歴史を説明し、街歩きを終えました。当日は、この季節にしては気温が高く、熱中症が心配でしたが、幸い日差しも強くはなく、無事このイベントを終えることができました。

 

 今年度2回目のあおもり街かど探偵団は、秋に青森市内で開催する予定です。