世界禁煙デー声明-2「最短命県脱出にはメタボよりもタバコ タバコ税大幅増税で国民の命を救え」 | 青森県タバコ問題懇談会BLOG

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青森県の全面禁煙の飲食店マップ 青森県内の禁煙活動・情報

■ 屋内全面禁煙により多くの県民の命が救われます


 屋内全面禁煙を実施した世界の国々から、心筋梗塞や狭心症、子どもの喘息の入院などが大きく減少したという報告が相次いでいます。飲食店などの公共的な施設における受動喫煙により、実際に健康被害や死亡が発生していたことと、禁煙化により全く費用をかけずにその命を救えることが証明されました。(全面禁煙化によって禁煙する人が増え、家庭での受動喫煙が減少したことも大きな要因と推測されます)
 受動喫煙は迷惑ではなく健康被害であり、人を殺しています。だからこそ、各国で国際条約を守って全面禁煙を実施しているのです。即刻実施すべき規制を怠って犠牲者を増やしている現状は、水俣病やアスベストと同じ構図と言えます。

■ 青森県は最短命県で、喫煙率は男性1位・女性2位


 青森県民の平均寿命は男女とも最下位で、喫煙率は男性が全国1位、女性は2位です(2010年)。喫煙率と平均寿命の関係をグラフにしてみると「喫煙率が高いほど平均寿命が短い」という負の相関が明らかで、青森は一番右下です。
 現在、全世界で毎年約600万人がタバコによる病気で死亡しており、そのうち約60万人は受動喫煙によると推計されています(WHO)。日本国内でも、喫煙により10万人以上、受動喫煙により1万人以上が死亡していると推計されています。新しい研究結果でも、喫煙は死亡原因のトップで、男女合わせて12万9千人が死亡していると推計されており、特に男性では高血圧の2倍にも達する断トツのトップなのです。


■ 最短命県脱出にはメタボよりもタバコ

 それなのに、青森県の最短命県脱出政策は肥満(運動・栄養)や高血圧(塩分)の対策ばかりで、有効な喫煙対策が一つもないという異常事態に陥っています。タバコ規制政策は予算がほとんどかからず、効果は絶大です。その対策とは…

■ WHOの求める6つのタバコ規制政策 MPOWER

 喫煙率を激減させ、国民を喫煙による惨禍から救うタバコ規制政策とは、① 喫煙状況のモニタリング、② 受動喫煙ゼロ、③ 禁煙支援・治療、④ タバコの画像警告、⑤ タバコ産業の広告・販促・スポンサー活動の禁止、⑥ タバコ税大幅増税の6つで、WHOはその頭文字をとって MPOWER と称していますが、政府や県は①と③以外の4つはほとんど無視しているかのような状況にあります。

■ 5月31は世界禁煙デー「タバコ税大幅増税で国民の命を救え」


 タバコ税大幅増税は、① 喫煙率低下(特に未成年喫煙率激減)、② タバコ病死減少・医療費減少、③ 税収は減らない(当面増加)の「一石三鳥」の効果を持つタバコ規制政策の切り札です。日本のタバコ価格は先進国で最低レベルにあります。タバコ価格の高い国は政府が国民の命を守ろうとしている国で、安い国はタバコ産業を守ろうとしている国です。1箱千円にすれば喫煙者の8割が禁煙するまでの間、消費税1~2%分に相当する増収が期待できますが、政府は消費税だけ上げておいて、タバコ税増税は話題にすら上りません。
 それどころか、厚生労働省は2014年の禁煙デーのポスターにWHOのテーマ「Raise Tobacco Tax」を掲載せず、その存在を隠す作戦に出たようです。
 当懇談会では、政府に対する国民からの怒りの声を明らかにするために、「タバコ税大幅増税で国民の命を救え」と意訳しました。

■ タバコ会社の広告・スポンサー活動や規制政策への関与は国際条約で禁止されています

 WHOタバコ規制枠組み条約(FCTC)において、タバコ産業による直接のタバコ製品の広告だけでなく、テレビのマナー広告、スポーツ・文化活動や市民活動へのスポンサー活動、ゴミ拾いなどの社会貢献(CSR)活動、タバコ規制政策への関与などは広く禁止されています。その理由は、メディアや各種団体、市民への多額の資金拠出が、タバコ規制政策を妨害して喫煙率の低下を防ぐためであることが明確だからです。
【WHO世界禁煙デーのテーマ】
・2012年 タバコ産業による規制妨害を阻止しよう Stop Tobacco Industry Interference
・2013年 タバコ会社の広告・販促・後援協賛活動の包括的禁止法制定を Ban tobacco advertising, promotion and sponsorship

■ 「タバコ税で社会や自治体の財政に貢献している」


 こんなタバコ産業側の主張(詭弁)に、メディアや行政関係者、議員までもがいつまで騙され続けているのでしょうか。タバコ税収をはるかに上回る医療費や死亡による労働力損失が生じていることは、各種の試算で明らかになっています。何よりも、その税収は県民・市民の健康や命と引き換えにして得られたお金であることを関係者は銘記すべきです。
 米国公衆衛生局長官は、アメリカで年間48万人がタバコ関連疾患で死亡し、医療および生産性損失の費用は年間2800億ドル(28兆円)に上ると報告しているのです。

■ 私たちが提案している「タバコ対策基本条例」とは

① 受動喫煙防止 … 飲食店を含むすべての公共的施設の屋内全面禁煙など  ※ 罰則規定は提案には含めていない
② 成人の喫煙率低下 … 禁煙支援、WHOのMPOWERに基づく規制政策など
③ 未成年者の喫煙率ゼロ … 喫煙防止教育、家庭における受動喫煙ゼロなど
④ 妊婦の喫煙率ゼロ … 妊婦、パートナーの禁煙支援など
⑤ 条例の策定作業 … 市民・行政・専門家による協同作業、タバコ産業を関与させない
 詳しい内容は → 青森県タバコ問題懇談会のホームページに掲載されています http://aaa.umin.jp/