ダビンチによる経口的ロボット支援術(TORS)を受けた後の経過を少しだけ。

 

 

【当日】麻酔が覚めた直後からかなりの舌の痛みと腫れで苦しむえーん

【当日】痛み止めは切れない程度に継続。喉の痛みは感じない大泣き

【当日】尿道カテーテル抜去。痛みは前回同様プンプン

【当日】自分でトイレへ行き、軽歩行OKニヤニヤ

【当日】腫れた舌の影響で唾液の流れが変わり、うとうとすると唾液を誤嚥してしまいむせこむ。眠いのに眠れない絶望

【2日目】行動制限解除も、絶飲食は継続赤ちゃん泣き

【2日目】シャワーOK歩く

【3日目】水、お茶解禁ニヤニヤ

【4日目】嚥下食開始バレエ

【4日目】軽く歯磨き解禁

 

 

頸部郭清術等の皮膚切開による手術と異なり、

 

体の表面のドレーン管や手術の傷口が無いので

 

体の回復は早いです。

 

 

 

個人差はあると思いますが、

 

私は数日間舌の痛みを強く感じましたが、

 

多くの人や医師が言う、

 

喉の手術跡の痛みは殆どありませんでした。

 

 

既にTORSから5カ月程経過しており、

 

若干喉の違和感は感じますが痛みは無く、

 

今後はもう大丈夫でしょう。

 

 

 

 

 

もう少しTORSについて振り返ってみましょう。

 

 

TORSの目的や特徴はここまでのブログで何度も書いてきましたのでそちらをご覧ください。

 

 

TORSの実施に関して、

 

実は多くのハードルがあり、

 

手術支援ロボット「ダビンチ」を

 

持っていれば誰でもどこでも実施

 

できるかというと、大きな間違い。

 

少なくとも、

  • コンソール術者
  • アシスタント術者
  • 施設認定

の認定を取得する必要があり、

 

それぞれかなりの経験値や資格が必要です。

 

 

 

例えばコンソール術者になるためには、

まずは「耳鼻咽喉科専門医」になってから、

 

・認定施設で3年経験

・頭頸部癌治療100例

・頭頸部手術50例(指定あり)

・頸部郭清術術者20例・助手20例

 

これらを経験し、日本頭頚部外科学会の「頭頚部がん専門医」になり、

 

さらにそこから

・咽喉頭癌・経口的鏡視下手術20例

・アシスタント術者・TORS 10例

 

 

 

これで技術的基準を満たしますが、

 

あくまでトレーニングを受講するための条件を満たしただけであり、

 

ここから多くのトレーニングを受ける必要があります。

 

そして、コンソール術者、アシスタント術者、

 

施設認定(ここはよくわかりませんが)の認定が揃っても、

 

各施設3例目までは「委員会による症例適応検討・承認」が

 

必要になり、幾つかの手術時はプロクターの招聘が必須となり、

 

TORSの導入までには相当な手続きと労力が掛かっています。

 

詳細はこちら https://www.jshns.org/uploads/files/about/torshowto20240301.pdf

 

 

そして、そのTORSを実施する際も、

 

癌の状態が何でも良い訳ではありません。

 

良い適応として、

 

日本頭頚部外科学会の頭頸部ロボット支援手術運営委員会からは以下が推奨されています。

 

中咽頭癌

Tis/T1/T2

節外浸潤伴うLN(lymph node=リンパ節)転移なし

 

TNM分類上、原発はT2まで、

 

リンパ節転移は節外浸潤が無ければとなります。

 

(あくまで学会の資料に書かれているものですので、実際の適応は病院・医師の判断になります)

 

そのうえで、放射線治療歴や

 

開口状態等幾つかの身体状態を確認し、

 

治療の可否が決定されます。

 

 

私がTORSを受けることが出来たのは、やはり幸運だったと思います照れ