この春、私には目標がありました。
私の地元を流れる高津川で渓流釣りに挑戦し、「ゴギ」という魚に会うことです。
ゴギとは、中国地方の源流に住むイワナの地方型。
この高津川の住むゴギは、日本のイワナの西限と言われています。
限られた水系の源流にしか生息していないことから、幻の魚とも呼ばれています。
そんな「高津川の顔」であるゴギ、地元に帰って来たからには、是非会いたい憧れの魚でした。
そして、3月1日の渓流解禁を迎え、ゴギに挑戦する運びとなりました。
職場に詳しい方がいるのですが、予定が合わず、一人でゴギ狙いを開始。
しかし、渓流と言うのはなかなか情報も無く(ポイントを教えたら人に釣れなくなりますので)、初めの挑戦はいくつかの沢に入るもゴギどころかヤマメの姿すら見えませんでした。
そして本日、またゴギに挑戦するため、高津川の源流部までやってきました。
ゴギが生息していると聞いた沢に入渓。
しかし、林道を上がる途中、戻ってくる餌釣りの人に聞いたところ「ダメ、小さいヤマメが一匹だけ」とのこと。
割と入りやすい沢だし、先行者も餌で釣れてないし、やっぱりダメなんだろうな…と思いつつ、適当なところで沢に降りて釣りを開始。
ルアーを投げられそうな場所を撃ちながら釣り上がりますが、魚の反応は無し。
小一時間ほど釣り上がり、帰りが大変だからそろそろ引き返そうかと思っていたら、ちょっと開けたこのポイントで…

ミノーをピックアップ寸前、手前の岩の陰から魚の影が飛び出してきました!
反射的に竿先でのの字を描くとミノーにバイト!
が、魚の身体が半分水面に出たところで外れてしまいました。
私の目はその魚のすがたをしっかり捉えました。鮮やかなオレンジ色の腹…そう、ゴギに間違いありません。
「ゴギはヤマメに比べて警戒心が薄く獰猛なので、バラシてもまた喰いつくことがある。」
そう聞いていたので、バクバクとなる心臓の鼓動を必死に落ち着かせようとしながらも、一歩下がってもう一度ルアーをキャストすると…
再び先ほどの魚の影がルアーを襲ってきました!

(ゴギ 淡水ルアー1魚種目)
私とゴギのファーストコンタクト。
高津川の憧れの魚に会えた、興奮と感動で手が震えました。
初めて生で会ったゴギは本当に綺麗。魚を釣って感動したのは久しぶりです。
ヒットルアーはリュウキ45FSの赤金でした。

背中から頭にかけてある虫食い模様がゴギの特徴です。
興奮冷めあらぬ中、再び釣り上がります。
いくつか上の淵で先ほどと同サイズ、20㎝程のゴギをゲット!
そして、更に…

スピナーに喰ってきたこの魚が、今回の最大魚でした。23~4cmでしょう。
3匹のゴギに出会えたことで十分満足し、近くに林道に上がる道があったことからここで納竿としました。
釣果3匹のうち、最初の一匹のみをキープ。貴重な魚なので全てリリースが望ましいのはいうまでもありませんが、最初の魚は嬉しくてちょっと長く触りすぎたのと、針が腹に掛かっていたので持ち帰りました。大変美味しかったです。
憧れのゴギに会うことが出来、釣り人生の中でも忘れられない一日になりました!