レタス・フライ  森博嗣 | 青子の本棚

青子の本棚

「すぐれた作家は、高いところに小さな窓をもつその世界をわたしたちが覗きみることができるように、物語を書いてくれる。そういう作品は読者が背伸びしつつ中を覗くことを可能にしてくれる椅子のようなものだ。」  藤本和子
  ☆椅子にのぼって世界を覗こう。

 

 

 

 

辞表を出そうとしていた私は、長期海外出張を命じられた。空港で出迎えてくれたのは、六年ほどまえに来日していた私の部署の研修生:X・Jだった。緩やかな独裁政権が残るこの国では英語がほぼ通じず、彼女が私の通訳をしてくれた。それから一週間ほど過ぎたころ、美術館で事件が起きた。作品に被害はなく、壁に十センチほどの円形の穴があけられていた。コンクリート製の壁は一メートル以上の厚さがあり、貫通はしてはいなかった。科学班の彼女が指揮を執ることになったものの、二日後に捜査は打ち切りになった。再び私のもとに現れた彼女は、一時帰国を促し……。

「ラジオの似合う夜」

 

 

 

 

この事件の一か月ほど前に、美術館から絵が盗まれています。

えっ、保呂草さんクラッカー登場?

と、にやにやしてしまいました。

でも、違った。ハートブレイクダウン

その盗難は、たぶん保呂草さんだとは思うけど。

 

”私”とは、林警部。

はっきりと名前が出てきたわけではありませんが、別れた妻と、かつての直属の部下だった女性との話が出てきます。

 

そして、元妻との電話国際電話の会話。

わ~い、紅子さんやん。

名乗らないけど、もう会話が紅子さん。

帰国後、訪問するお家も、離れを移築した紅子さんちやし。

嬉しすぎる。ハート

 

なので、X・Jから聞かされる相変わらずの反則っぽい事件も、全然気にならず大満足でした。

いやもう、私フツーの解は求めてませんから。

それにしても、林警部、なぜに、そんなにもてる。。。大あくび

 

ちなみに、メインの事件には核開発がからんでいて、一介の警部ごときでは歯が立たないものでした。

クーデタなど止められない。泣くうさぎ

 

 

 

    

本 しばらくの間、テレビや新聞に注目していたが、そのうち報道は下火になり、もうどうなっているのかさえ、わからなくなってしまった。これからがきっと長い。ただどうか、傷つく者、苦しむ者、命を落とす人間が、一人でも少ないことを願うばかりである。

 私にできるのは、あの一夜を思い出すことしかない。キッチンから聞こえてくる音、ラジオのメロディ、私の手を引いて先を急いだ彼女、その手の感触、肌の感触、すべての感触を。

花 

 

 

 

他に、

  • 「檻とプリズム」※
  • 「証明可能な煙突掃除人」
  • 「皇帝の夢」
  • 「私を失望させて」
  • 「麗しき黒髪に種を」
  • 「コジジ君のこと」
  • 「砂の街」※
以上の短編※2編&ショート・ショート5編が併録されています。
「砂の街」は、安部公房の『砂の女』を連想しました。
もちろん、もっとずっとライトではありますが。
 
 
 
そして、ラストには萌絵と睦子叔母様&「Gシリーズ」の山吹・加部谷・海月トリオの登場です。
睦子叔母様も、好きなハートキャラなんだな。

 

 

 

 

春休みに山吹早月は、加部谷恵美と海月及介を伴って、白刀(はくと)島の実家へ帰った。実家は島で唯一の山吹旅館。姉:寛奈(かんな)が手伝っている。研究室の先輩である西之園萌絵も、叔母:佐々木睦子とともにヘリで到着。睦子が島に別荘を持っているのだ。さっそく、島で唯一いわくつきの刀之津診療所に向かい、その六つの謎に挑む。

「刀之津診療所の怪」

 

 

 

 

これはねぇ、医者の正体がわからなくて、ググっ虫めがねちゃったよ。

もう、びっくり。驚き

これも、ある意味「Vシリーズ」だったのね。

 

言われてみれは、納得なんだけど、全くわからなかったです。

〇〇ちゃん、医者予防接種になってたのか。

振り袖姿に、少林寺。

なんで気づかんかったんかなぁ。

そうか、そうか、あの人たち、そうなってたウエディングケーキのかぁ。

 

 

ピンクハートラブラブ ピンクハートラブラブ ピンクハートラブラブ

 

感慨無量です。

わかってよかったです。

ネットのネタバレ提供者さん、ありがとうデス。ぽってりフラワー