シャイニング 下  スティーヴン・キング | 青子の本棚

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「すぐれた作家は、高いところに小さな窓をもつその世界をわたしたちが覗きみることができるように、物語を書いてくれる。そういう作品は読者が背伸びしつつ中を覗くことを可能にしてくれる椅子のようなものだ。」  藤本和子
  ☆椅子にのぼって世界を覗こう。

新装版 シャイニング (下) (文春文庫)/文藝春秋
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豪雪でホテル:《オーバールック》に閉じ込められたトランス一家に、次々と襲い掛かる怪異現象。禁酒中だったジャックは、死んだはずの前管理人:グレイディから差し出された酒のグラスを空けてしまう。次第に増長するホテルの怨念に取りつかれ、ジャックは、遂に妻:ウェンディと息子:ダニーに襲い掛かる。ダニーは、”かがやき”を使って、同じ”かがやき”を持つ黒人のコック:ハローランに救援を求めるが、……。




ホラー嫌いのヘタレの私ですが、無事クラッカー完読できました。チョキ


怖かった叫びとも言えるし、それほどでもなかったなぁドクロとも。

どっちやねんという感じですが、それは、この作品の恐怖が、なんだか得体のしれない説明のつかない現象としての怖さと、誰もが持つ人間の奥深くに潜む心理的な怖さの二つが、絡み合って描かれているところにあると思います。



私は、圧倒的に前者が苦手です。
もう、めっちゃ怖い。汗


トピアリーの犬やライオンが、生きた動物化して襲ってくる。叫び
《プレジデンシャル・スイート》のバスルームに横たわる腐って変わり果てた女が追いかけてくる。叫び
エレベーターが、真夜中のパーティー客を運ぶため、ひとりでに上下する。叫び
等々。

人の怨念がホテルに同化して起こる怪奇現象にビビりまくっていました。


一方、アルコール依存症ビールビールワインカクテルグラスのジャックの精神が徐々に壊れていく過程が丁寧に描かれています。
怖いのは怖いのですが、これは、また別の種類の恐怖で、こちらの方は、その心情が事細かに語られ理解可能な怖さです。

こっちは、大丈夫。

というか、この部分に、作家の力量を感じることができます。
アルコール依存症の恐ろしさが、リアルに語られているのです。



また、下巻に入って、息子:ダニーを守るため、ジャックと闘うウェンディの豹変にも驚かされました。
自分たちの生死の問題を前にして、自らの母との関係に吹っ切れたのでしょうか。
母は強しグーデス。


そして、ダニーのSOSを受け取り、《オーバールック》へと向かうハローランの行く手を阻む様々な障害にも、ホテルの悪意を感じました。
彼が途中で出会う”かがやき”を持った人たちには、ほっとしましたが。



それにしても、二人とも、めっちゃタフ。
肋骨が折れ、顎が潰れ、頬が削れ、指が切り裂かれても、立ち上がります。
こちらも、ホラーと言えばホラーだなぁ。叫び叫び叫び
怖いねぇ。




取り合えずほっとしたラストですが、ラストまで気が抜けなかったのは確かです。

続編があるみたいですが、正直なところ、もういいかなとは思っています。
なんとなくしっくりこない部分、例えば、ホテルが持つ遺恨の襲撃に一貫性を欠いていたりなどが、怖さで誤魔化されているようで、なんか、疲れました。汗




上巻から気になっていた謎の言葉「レドラム」ですが、アナグラムだったとは。。。
これは、やはり英語が母語ではない私には、不利ですね。


それから、もう一つ。
上巻で、紹介されていたあるエピソードですが、そのネタ「GOTHICシリーズ」で読んだ記憶があり、ひらめき電球あぁ、ここからパクったのかなと思っていたら、桜庭一樹が解説を書いていました。
音譜ビンゴ音譜