男のたしなみ  絵/高橋潤 文/松岡宏行 | 青子の本棚

青子の本棚

「すぐれた作家は、高いところに小さな窓をもつその世界をわたしたちが覗きみることができるように、物語を書いてくれる。そういう作品は読者が背伸びしつつ中を覗くことを可能にしてくれる椅子のようなものだ。」  藤本和子
  ☆椅子にのぼって世界を覗こう。

松岡 宏行, 高橋 潤
男のたしなみ


全身タイツのタイツくんが120枚の「励行カード」なるもので、人生での身のほどこし方を身体を張って?伝えてくれます。
社会には多少複雑すぎる面があり、ストレートに言っては角が立つことってあります。
これはもう、漱石の時代から多少環境が変わったくらいでは変化していないみたいです。
そんなとき、このイラスト付きカードを見せてソフトに思いを伝え、コミュニケーションのきっかけにと言うことらしいです。
笑いの中に、真理ありです。
なんか哲学入っています。
カードの横にいれられたツッコミに、笑いながら肯くことしきり。


マイベスト15+1は、

029「いさぎ よく 選ぶ。」
選び方は生き方。

038「ダルな包丁で ケガをする。」
切れる者は排斥されやすい。でも切れない包丁の方が危険。

046「バリバリでもなく キャピキャピでもなく フツーの 働く女で いいや」
生き方は、ふたつだけじゃない。

052「いない者の 負け。」
死んだら、もっと負け。

055「キープしといて 迷う奴。」
自分の中に、基準ができてない証拠。

056「トクしたつもりで 気が重い。」
心理的には、コスト高。

058「腰を低くして、得るものあり。」
高いところから見えるもの。低いところから見えるもの。

064「手放すのは惜しいが、 持ってても つまらない。」
そんなものでいっぱいだけど。

065「見たい 聞きたい 知りたい。」
「奥ゆかしい」って言葉の、ほんらいの意味。

072「グーといえばパー。パーといえばチョキ。」
つねに相手の期待を上回れ。

076「選べない運命は 受け入れる。」
運命というものはない。でも、しょうがないものは、しょうがない。

079「愛情は銀、友情は金。」
友情は珍しい。心がけないと維持できない。

088「箸が折れても 気にしない。」
ま、使いづらいけど。

089「演技も マナーである。」
演技、かならずしもウソというわけでもない。

097「人事と移動は風まかせ。」
ジタバタしても仕方ない。

109「先手を とって 主導権を 得る。」
さきに挨拶して、無視されたらどうしよう? なんて、屁みたいなことを考えない。




あしか > 全身タイツ?カード?
おもしろ~い。52番と76番。個人的に好きです。 (2005/01/16 14:56)
青子 > あしかさん、レスありがとうございます。
全身タイツにくるまれたピエールとジョナサン(体型はどう見ても日本人)が演じるワンシーンに、カルタのようなコピーがついたカードが1ページに1枚描かれています。
ちなみにあしかさんお好みの52番はちょっと下ネタっぽいです。下半身タイツを手に垣根を乗り越えるピエール。そのうしろからライフルで狙う男。の後ろにはシーツにくるまった女性が‥‥。受けるコピーの「死んだら、もっと負け。」が効いてますよね。この絵だけなら、えっ!なのですが、言葉は意味するところは結構深いです。 (2005/01/16 19:18)