以前仏足(3) の最後で、仕上げの際には木目に合わせて削らなければならないと書きました。

今回はそのことについて、さか(逆)目とならい(順)目について説明したいと思います。

木を削るとき、木目に対する角度によってさか目とならい目があります。
思いっきり単純に説明すると下↓の図のようになります。
仏像彫刻修行の日々~林の中の象のように~
①がならい目です。
木目に逆らわず、きれいに削ることができます。
②がさか目です、刃物が木目の固い層に引っ掛かるので表面が白く毛羽立ったようになります。
最悪木目に沿ってパックリ割れてしまいます。
図では二次元なので単純ですが、実際に木目は三次元なのでもっと複雑になります。
ただ、基本的には高いところから低いところへ向って削るというのが、さか目を避ける方法になります。

では、実際に木を削ってみたいと思います。


仏像彫刻修行の日々~林の中の象のように~
↑これがさか目に削った状態。
表面がガサガサになってます。
削った三角形の面の上辺から下に向かって削りました。


仏像彫刻修行の日々~林の中の象のように~
↑同じ面をならい目に削った状態。
今度は下の頂点から上に向かって削っています。
表面ツルッツルになりました。



これくらい単純ならわかりやすいのですが、これを仏像のような複雑な形で合わせていくのが難しいんです。ホントに。